ことばは世界を分節化する
ことばは世界を分節化する
コトバはここでは本源的意味作用、すなわち「本質」換気的な文節作用において捉えられている。コトバの意味作用とは、本来的には全然文節のない「黒々として薄気味悪い塊り」でしかない「存在」にいろいろな符牒を付けて事物を作り出し、それらを個々別々のものとして指示するということだ。
身体知について論じるとき、「身体」がこの絶対無文節の「存在」です。それに対して、「首」、「肘」、「股関節」、「膝」などということばを用いて進退動作を表現するとき、わたしたちは、それまで「黒々として薄気味悪い塊り」に過ぎなかった身体全体をいくつかの部位に分節化して、各文説の特定の特徴や互いの関係性について明確に意識するのです。
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