MDAフレームワーク
「MDAフレームワーク」はゲームの本質を「アルゴリズムレベルのゲームの根本的な仕組みを示す『Mechanics(メカニックス)』」「Mechanicsから生み出される展開を示す『Dynamics(ダイナミックス)』」「プレイヤーに生まれる感情を示す『Aesthetics(アスセティックス)』」という」3段階に分割し、それぞれを言語化・モデル化することで、ゲームデザインの評価、分析、研究へと繋げていく手段として活用するものです。
たとえば、名作ボードゲーム『モノポリー』では、次のような「Mechanics」「Aesthetics」「Dynamics」の関係が観察されます。
1.Mechanics →所持金が増えるとプレイヤーの選択肢が広がる
2.Dynamics →状況により適した選択が繰り返されることで、貧富の差が広がる
3.Aesthetics →勝てそうにないプレイヤーは感情移入ができなくなる
ここで、負けそうなプレイヤーの感情移入を高める方法を考えてみましょう。その場合も思いつきでルールを加えたり、パラメータを調整するのではなく、「Aesthetics」と「Dynamics」を分析して「Mechanics」を見直すというステップを踏むことができます。
1.Aesthetics →負けそうなプレイヤーの感情移入を高める
2.Dynamics →貧富の差を近づけてプレイヤー間の選択の幅を縮める
3.Mechanics →所持金の量によって上昇する「税金システム」を導入する
このように各プロセスを言語化することで、イメージの伝達がスムーズになり、開発チーム内での認識がズレにくくなるのです。
アナログゲームを通してMDAフレームワーク理論を学ぶ「MDAワークショップ(初級編)」体験レポート