DNA
サンショウウオの仲間には不思議がいっぱいだ。両生類なのに,彼らの中には変態して陸生に切り替わらない種がいる。四肢が切断されても元に戻る再生能力を備えている。米国で暮らすサンショウウオの仲間,ルイスウォータードッグ(Necturuslewisi)に至っては,細胞の大きさがトカゲや鳥,哺乳類と比べて最大で300倍もある。虫眼鏡があれば,透明な皮膚の毛細血管の中を素早く流れる血液細胞を1個ずつ観察することだって可能だ。
サンショウウオの仲間はなぜ,このような常識離れした特徴をいくつも備えているのだろうか。
実は,サンショウウオの仲間はゲノムサイズが著しく大きい。トランスポゾンと呼ばれるゲノムに“ 寄生する”DNAが大量に増殖した結果だ。近年になって,「ゲノムが巨大である」ということそれ自体が,サンショウウオの体の形を大きく変える要因になっていることがわかってきた。
世界中にいるのに・・・20年以上謎の生き物、正体は?