ALMモデル
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ICT 普及と高学歴化の相関関係について、その根底にある原因を究明しようと Autor, Levy and Murnane(2003)が提唱したもので、タスクを軸とした新しいフレームワークの先駆けである(以下、このようなタスクベースのモデルを「タスクモデル」、なかでも Autor, Levy and Murnane(2003)で用いられたベーシックなタスクモデルを「ALM モデル」と呼ぶ)。このモデルにおいて、生産活動は「ルーティンタスク(routine task)」「ノンルーティンタスク(non-routine task)」の 2 種類のタスクのいずれかに従事する労働者とルーティンタスクを実行するコンピュータ等の ICT 資本によりなされており、技術はルーティンタスクの生産要素としてこれに従事する労働者の一部を代替し、結果として、ノンルーティンタスク/ルーティンタスクの賃金格差を拡大するとともに、いずれのタスクの規模も拡大する。
Autor, Levy and Murnane(2003)は、ICT が労働者によりなされるタスク、
ひいては人間のスキルへの需要をどのように変化させるかという観点から、タスクを、ICT 化のメカニズムに関わる性質に着目して「ルーティンタスク」、「ノンルーティンタスク」の 2 種類に大別し、すなわち、コンピュータは、明確なルールによるプログラム化が可能な活動(ルーティンタスク)に従事する労働者を代替する一方、柔軟性や創造性を必要としたり、抽象的な思考に基づく課題解決や高度なコミュニケーションを伴ったりするためにプログラム化が困難な活動(ノンルーティンタスク)62に従事する労働者を補完するとの先駆的な考え方を示した。また、タスクの性質について、ルーティン/ノンルーティンにくわえ、知的/肉体的の軸に基づく以下の類型を提示した(図表 9 参照)。
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論文
Autor, D. H., Levy, F., & Murnane, R. J. (2003). The skill content of recent technological change: An empirical exploration. The Quarterly journal of economics, 118(4), 1279-1333.