ムペンバ効果
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「熱い物体が冷却されるためにはまず、ぬるくならねばならない」という直感的な常識が、現実世界の「むらのある冷却」においては必ずしも当てはまらないことを発見しました。
そしてこの、むらのある冷却が起きているときには、熱い部分が局所的に、低温にマッチした構造に再配置する現象も発見します。
これは、むらのある冷却において高エネルギー領域は、低エネルギーの分子構造にいち早く変化できる…という近道を使えることを意味します。
研究者はこの奇妙な結果をヒッチハイクに例えました。
すなわち、遠くから出発するヒッチハイカーのほうが条件によっては、近場から出発するヒッチハイカーよりも早く目的地につくことができる現象に似ているとのこと。
この場合、移動しなければならない距離の長さは必ずしも到達時刻を決定せず、様々な要素が絡み合って結果が出ます。
同じように高温から低温への変化も「元の温度」は必ずしも決定要因にはならず、他の要因が介在しているのです。
たちは固体・液体・気体といった相転移が温度だけに依存しないという「新たな常識」を受け入れる準備をしなければならないかもしれません。
というのも、最新の理論では「より冷たいもののほうが早く熱せられる」という逆ムペンバ効果の存在も示唆されはじめるようになったからです。
理科の教科書がややこしくなりそうですが、恩恵もあります。
「より熱いモノが先に冷える」「より冷たいモノが先に熱される」という現象を既存の熱を扱うシステム(エアコンや発電)などに組み込むことができれば、私たちの生活を大きく変える、温度革命が起こるかもしれませんね。
お湯が冷水よりも早く凍る「ムペンバ効果」のナゾが解明される!