初心者が麻雀で勝ちにいく第3章「押し引きの基本を学ぶ」
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この記事の対象読者は麻雀のルールや簡単な用語を知っている初心者の方です
第3章 押し引きの基本を学ぶ
3.1 押し引きとは
押し引きとは、簡単に言うと攻めるか降りるかという意味です
牌効率では完全に自分の手牌だけを考え、攻撃のことだけを考えていました
しかし、対戦相手がいる以上攻め続けることは難しいです
4 人でプレイしている都合上確率的におおよそ 25% しかアガることができません
残り 75% はアガることができないのです
そのため、状況によってはアガリを諦めなければならないのです
例題を見てみましょう
https://gyazo.com/b6443d8db8c5c79a3d5ef45fdb2c979d
自分がこんな手牌の時に相手からリーチされました
あなたならどうするでしょうか
選択肢は大きく分けて 2 つ
牌効率を考えて普通にアガリに向かう
安牌を切ってオリる
です
この記事では
オリるときにはどのようにしてオリるのか(3.2 ベタオリを覚えよう)
どのような時にどのように攻めるかの基本(3.3 リーチ判断をしてみよう)
これらを解説します
ちなみに例題の解答はオリです
3.2 ベタオリを覚えよう
3.2.1 ベタオリとは
3.1 で挙げた例
https://gyazo.com/b6443d8db8c5c79a3d5ef45fdb2c979d
この手牌のときにリーチされたときはオリが正解だと言いました
リーチされているということは、相手はテンパイです
対して自分は 3 シャンテンの手です
普通に考えると勝てません.ロンされないように(注 1 )安全な牌を切って点数を取られないようにしましょう
こういったアガリを放棄して完全にオリることをベタオリと言います
※1 ロンされることを放銃すると言います.以降放銃として表記します
3.2.2 安牌
安全な牌(安牌)とは何でしょうか
それは現物です
現物とは相手が捨てている牌と同じもののことです
麻雀には自分が捨てた牌と同じ牌でロンすることはできないというルールがあることは覚えているでしょうか
フリテンと呼ばれる状態になりロンしてアガることができません
なので、100% テンパイしている人の現物で当たることはありません
基本的には現物を切ってオリていくことになります
ですが、常に自分が持っている牌の中に現物があることなどほぼありません
ではどうやってオリるのかですが、安全そうな牌を切っていきます
安全そうな牌を知るにはまずどういう形でテンパイし得るのかというのを知りましょう
https://gyazo.com/9b280ac420711b1ef7605d71d8af817e
毎度お馴染みの 4 メンツ 1 ヘッドの形です
この形がアガリの形ですから、テンパイという状態はどこかのブロックがあと 1 枚で完成するという状態ですから
リャンメン
カンチャン
ペンチャン
シャンポン(シャボ)
単騎
という待ちが存在することになります
これを前提に安牌を探してみます
3.2.3 スジを知ろう
待ちの種類は 5 つもありますが、実際は半分以上の確率でリャンメン待ちになっています
理由は、リャンメン待ちは最大 2 種 8 枚の牌で待てるという優秀な形で多くの人がリャンメン待ちになるように打つからです
リャンメン待ちが一番多いのですから、まずは相手がリャンメン待ちであるという仮定をして安全牌を探してみましょう
例を挙げます
相手の捨て牌に https://gyazo.com/1438fe3446d786b6b42c75b6d34e314c がある時 https://gyazo.com/50889b7e22deb80a4b83032978e9dce5https://gyazo.com/983c8e47c6f6638d7a4869fe1e5d0873 のような形で待っていることはありません
フリテンには自分が捨てている牌でロンすることができないというものがありましたが、自分が捨てている牌がアガリの牌に含まれるような待ちでもロンすることはできません
https://gyazo.com/50889b7e22deb80a4b83032978e9dce5https://gyazo.com/983c8e47c6f6638d7a4869fe1e5d0873 は https://gyazo.com/35e00748e18d733061343ddc94e0324bhttps://gyazo.com/1438fe3446d786b6b42c75b6d34e314c の待ちですから https://gyazo.com/1438fe3446d786b6b42c75b6d34e314c を捨てているなら、https://gyazo.com/1438fe3446d786b6b42c75b6d34e314c だけでなく https://gyazo.com/35e00748e18d733061343ddc94e0324b でロンすることもできないのです
このような 5 が捨てられている時の 2 、4 が捨てられている時の 1 のようなものをスジといいます
5 のスジは 2 8、4 のスジは 1 7、6 のスジは 3 9
となるのです
電卓の数字の位置関係を見るとわかりやすいかもしれません
縦に隣接する数字はスジとなります
https://gyazo.com/22856d4e88a5aa716faf4d17f01e1e15
ただし、 1 のスジである 4 は 56 の待ちが存在しているのでスジでもリャンメンに当たる可能性があります
このようなスジを片スジといいます
また、1 と 7 が捨てられている時の 4 は片スジが被っておりリャンメンに当たることはありません
このような間に挟まれているようなスジを両スジ(もしくは中スジ)といいます
補足ですが、スジでも何でもない牌のことを無スジといいます
スジや両スジはリャンメンには当たらない
片スジは無スジよりは安全
この 2 点を覚えておけばリャンメン対策はほぼ問題ありません
3.2.4 場に見えている牌の枚数を確認しよう
スジを知って貰ったところで申し訳ないですが、スジを過度に信用してはいけません
たしかにリャンメン待ちには当たらないという考えは重要ですが、他の待ちの可能性もあるので割と脆い安牌候補なのです
なので、スジよりも強固な安全牌を探してみましょう
安全牌の探し方は、ある牌に対してどういう待ちがあり得るかを考えましょう
例えば、自分から https://gyazo.com/50889b7e22deb80a4b83032978e9dce5 が 4 枚見えている時は https://gyazo.com/256775ff5ab61a69a72ef39a516c9c0a や https://gyazo.com/35e00748e18d733061343ddc94e0324b はかなり安全です
同じ牌は全部で 4 枚しかありませんから https://gyazo.com/50889b7e22deb80a4b83032978e9dce5 が相手の手牌には入っていません
なので https://gyazo.com/35e00748e18d733061343ddc94e0324bhttps://gyazo.com/50889b7e22deb80a4b83032978e9dce5 https://gyazo.com/50889b7e22deb80a4b83032978e9dce5https://gyazo.com/983c8e47c6f6638d7a4869fe1e5d0873 などのリャンメンはもちろん、 https://gyazo.com/256775ff5ab61a69a72ef39a516c9c0ahttps://gyazo.com/50889b7e22deb80a4b83032978e9dce5 や https://gyazo.com/50889b7e22deb80a4b83032978e9dce5https://gyazo.com/1438fe3446d786b6b42c75b6d34e314c のようなカンチャン待ちもあり得ないことになります
では https://gyazo.com/256775ff5ab61a69a72ef39a516c9c0a や https://gyazo.com/35e00748e18d733061343ddc94e0324b はどのような待ちに当たり得るか考えてみましょう
https://gyazo.com/256775ff5ab61a69a72ef39a516c9c0a は https://gyazo.com/256775ff5ab61a69a72ef39a516c9c0a 単騎や https://gyazo.com/256775ff5ab61a69a72ef39a516c9c0ahttps://gyazo.com/256775ff5ab61a69a72ef39a516c9c0a のシャボ待ちには当たり、https://gyazo.com/35e00748e18d733061343ddc94e0324b も https://gyazo.com/50889b7e22deb80a4b83032978e9dce5 がないためカンチャンも否定されるため https://gyazo.com/256775ff5ab61a69a72ef39a516c9c0a と同様です
もし場に https://gyazo.com/256775ff5ab61a69a72ef39a516c9c0a が 2 枚見えていたりする場合にはシャボ待ちも否定されるため単騎にしか当たらないということになります
このように当たるとするなら何があり得るのかを考えることでスジよりも安全な牌を探すことができます
ちなみに、 2 が 4 枚見えている時は 2 が壁になっているといい、 3 枚見えている時は 2 が ワンチャンスになっているなどといいます
3.2.5 安全牌の危険度
スジや壁、ワンチャンスなど様々な安牌を探すための考え方がありました
では結局安全度の優劣はどうなのかという話をしましょう
結論は
スジ 19 > 両スジ 456 > ノーチャンス 1289 > スジ 28 > ノーチャンス 37 > スジ 37 > ワンチャンス 1289 > ワンチャンス 37 > 無スジ 19 ≒ 片スジ 456 > 無スジ 28 > 無スジ 37 > 無スジ 456
です
冷静に考えれば理解できる順序です
スジ 19 はその牌の単騎とシャボに当たるだけです
両スジは単騎やシャボに加えカンチャンにも当たりますが単騎やシャボにはなり辛い牌であるので安全度が高いです
37 ノーチャンス 1289 は単騎とシャボ、スジ 28 は単騎シャボカンチャン、46ノーチャンス 37 は 単騎シャボペンチャン
......
という風に続きます
どんな形で当たる可能性があるかを考えることは後にも重要になるので、こういった考え方は身に着けておきましょう
3.2.6 ベタオリ判断
では、どのような時にベタオリすれば良いのかという基準の話をします
と言いたいところですが、これは厳密な話だと非常にややこしく初心者向けではないため最低限のベタオリ基準を解説します
相手がテンパイで自分がテンパイしていないならベタオリ です
とても簡単に思えますが最低限これができるならベタオリ判断は 100 点中 80 点はあります
この簡単な基準を細かく見ていきましょう
まずリーチしている相手は 100 % テンパイなので自分がテンパイしていないならオリです
では、副露している相手に対していつテンパイだと考えれば良いでしょうか
いつテンパイしているのか読めるなら完璧ですが、筆者は「初心者は読みをしないべき」だと考えています(注 1 )ので、読もうと思わないで欲しいです
とは言っても副露している人に対して自分の手牌が全然進んでいないのに危険そうな牌を何枚も切っていくことは推奨できません
ではどうするかですが、一定の基準を設けます
ものすごく大雑把ですが
序盤(1 ~ 6 巡目)は 3 回副露していたらテンパイ
中盤(7 ~ 12 巡目)は 2 回副露していたらテンパイ
終盤(13 巡目 ~ 最後まで)は 1 回副露していたらテンパイ
と考えます
これはおよそ 50% の確率でテンパイであるとされているタイミングとなっています
※1 残念ながら初心者の読みはほとんど当たりません.経験が足りなさすぎるため「こういう場合にこの可能性が高い」といった推測は外れやすいです.また、所詮推測は推測でどんな強者でも 100 % ではありません.初心者の読みは、あてにするには不安定すぎるのです
3.3 リーチ判断をしてみよう
面前でテンパイしたときにリーチするかどうかというリーチ判断についてです
まずはじめに、リーチは最強の役であることを認識してください
リーチするだけで役がない手牌でもアガることができますし、一発や裏ドラなどの打点上昇の可能性もあります.また、相手が自由に手を進め辛くなり、その間に自分がツモするなんてこともよくあります
リーチというのは最強の役です.それを念頭に置いた上でリーチをしない時というものを考えてみましょう
また、ここでも厳密ではない大雑把な基準で話をします.(詳しくは後の章で)
3.3.1 誰もリーチしていない時
誰もリーチしていない時を考えてみましょう
自分だけがテンパイしている時にリーチしない場合はどんな状況があるでしょうか
そんな状況はありません
全てリーチです
リーチは最強の役で、誰にも邪魔されない状況なのですからリーチしないなんて選択肢はありません
3.3.2 リーチ者が 1 人いる時
誰か 1 人がリーチしている時ならどうでしょう
誰かがリーチしてから自分も運良くテンパイしたとしたら、ほとんどの場合リーチですが例外があります
相手の立場と自分の役を考慮しなければなりません
リーチしている相手が親の時はリーチ以外の 2 翻あるならリーチ
リーチしている相手が子の時は全てリーチ
この 2 点だけ注意しましょう
3.3.3 リーチ者が 2 人いる時
あまり出くわさない状況ですが、リーチ者が 2 人いる時はどうでしょう
結論は全てオリです
対 1 人でも苦しいですが 2 人いるなら後手に回っている時点で勝ち目はほぼありません
それに加えて 1 人リーチならツモされた時に自分も失点する可能性が十分にありますが、 2 人リーチならどちらかがどちらかに放銃する可能性も十分にあるので自分の失点という意味でも基本的にオリが有利となるのです
3章のまとめ
安牌を探してベタオリという守備とリーチ判断という攻撃をざっくり解説しました
相手がテンパイで自分がテンパイしていないならベタオリ
リーチは最強でほとんどの場合リーチできるならリーチ
これが骨格です
後章ではこれを細かく調整していくことになります
前章で解説した牌効率に加えて押し引きの基本も考えつつ麻雀を打ってみましょう
ここまでの話が完全に実践できているならようやく初級者到達です
次回は牌効率についての発展です
これからはグッと複雑になるので心しておいてください
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