米テキサスで規則緩め証券取引所2026年設立へ 2024年6月6日
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米南部テキサス州の企業が新たな証券取引所の設立に向けて申請することが5日明らかになった。運用会社世界最大手の米ブラックロックなどが支援する。取引所規則のハードルを下げて上場企業を呼び寄せ、ニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダックによる寡占に風穴を開ける狙いだ。
TXSEグループは5日付プレスリリースで「テキサス証券取引所(TXSE)」開設に向けて米証券取引委員会(SEC)に、2024年中に申請する方針を発表した。TXSEはテキサス州ダラスに拠点を構える方針という。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、SECの承認を経て25年に株式の取引開始、26年にTXSEの新規上場1号案件、という計画をTXSEグループは描いている。23年設立のTXSEグループは、ブラックロックや米電子取引のシタデル・セキュリティーズなど20以上の外部投資家から合計で約1億2000万ドル(約190億円)の資金を調達した。
TXSEは取引所規則を緩めることで、法令順守コストの高まりに不満を募らせる企業のニーズをくみ取り、上場ビジネスを成長の軸とする狙いとみられる。
上場企業は連邦法やSECのルールに加えて、証券取引所の規則も順守する必要がある。ナスダックは取締役会に1人以上の女性と1人以上のマイノリティー(少数人種)あるいはLGBTなど性的少数者を含めるガイドラインを設け、SECの承認を受けた。取締役会の多様性ガイドラインは保守派から反発を受けている。
世界取引所連盟(WFE)によると4月末時点でナスダックには約3400社、NYSEには約2300社が上場している。過去には数十の取引所が米国各地にあったが、買収などを通じて徐々に淘汰され、現在はナスダックとNYSEの2グループが米国の株式市場を寡占している。
TXSEグループのジェームス・リー最高経営責任者(CEO)はWSJに対し、TXSEは特定の政治とは距離を置く姿勢を明確にするとした。ただ、保守層が多いテキサスでの証取開設は、リベラル層が多いニューヨーク拠点のナスダック、NYSEと好対照となる。ESG(環境・社会・企業統治)などに懐疑的な企業を呼び込む「ブランディング上の狙いもあるのではないか」と米証券業界関係者は話す。
特色を持つ証取の新規参入は米国でこれまでもあった。超高速取引業者(HFT)の影響力排除をうたうIEXや、有力ベンチャーキャピタルの支援を受けて長期的視野で成長を促すロングターム証券取引所(LTSE)、大手金融機関の後押しのもと市場データ提供料金の引き下げを掲げるメンバーズ取引所(MEMX)だ。
ただ、いずれも寡占に風穴を開けたとは言いがたい。LTSEでの上場社数は2社のみ。取り扱う売買のボリュームの差も圧倒的だ。米シカゴ・オプション取引所(CBOE)の直近5営業日のデータによると、米上場株の売買代金シェアでMEMXとIEXはそれぞれ2%前後。NYSEグループ(約21%)やナスダックグループ(約16%)に比べて桁違いに小さい。
TXSEの開設に向けた最初のハードルはSECの判断だ。SECのゲンスラー委員長は5日、記者団に対して「特定の申請案件についてコメントしない」としつつ、申請の判断にあたって「法令や規則が求める基準を順守しているかや、競争環境にどんな影響を与えるか、といった観点から吟味する」と述べた。
NYSEニューヨーク証券取引所も、テキサス州ダラスに電子取引所「NYSEテキサス」を設立し、テキサス州の経済成長を取り込もうとする動きを見せています。
ブラックロック: 世界最大級の資産運用会社。TXSEへの支援を行っています。
シタデル・セキュリティーズ: 大手証券会社。ブラックロックらと共に、25以上の投資家グループの主要メンバーとして出資しています。
TXSEグループ: この新たな取引所の設立と運営を主導するグループで、金融機関などから1億2000万ドル以上の資金を調達しています。