新たなAIモデルで今後も需要は拡大 2024年5月24日
https://gyazo.com/bfb6b28d19d0bd1a9bd00453085e6785 #ジェンスン・フアン CEO 米半導体大手エヌビディアは、生成AIブームからの追い風が続いている。
大手ハイテク企業が相次いで自動対話システム「チャットボット」を展開したことで、エヌビディアの半導体需要は急拡大した。同社は現在、動画の制作や人間のような対話を可能にする新たなAIモデルが自社のグラフィックプロセッサーの注文に拍車を掛けると予想している。
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは22日、ロイターに対し、3Dビデオといったシステムが今後「非常に大きく展開されるだろう」と述べた。
先進AIの訓練や運営のためにコンピューターの処理能力を高める必要性が、エヌビディアの「H200」といった「グレース・ホッパー」半導体の需要を押し上げている。この半導体はオープンAIの「GPT-4o」モデルで初めて使われた。
グーグル・ディープマインドやメタ・プラットフォームズといった他のエヌビディアの顧客も、AIによる画像・映像生成プラットフォームを発表している。
自動車業界で使われるAIモデルも、エヌビディアの半導体需要を押し上げるけん引役として浮上している。
エヌビディアのコレット・クレス最高財務責任者は22日の電話会見で、米電気自動車(EV)大手テスラが自動運転を推進する取り組みの中で、AIを訓練するために使うプロセッサーを拡大し、約3万5000個の「H100」の規模になったと明らかにした。
クレス氏は、同社のデータセンター向け事業では今年、自動車業界が最大級の顧客になるとの見方を示した。
人工知能(AI)ブームの申し子である米半導体大手エヌビディアの株価が23日の米株式市場で史上最高値を更新し、共同創業者のジェンスン・フアンCEOは資産額を大きく伸ばして、フォーブスの世界長者番付で17位に浮上した。
ジェンスン・フアンCEOは、AIの登場によって「新たな産業革命が始まった」との声明を出し、今後も需要が続くとの認識を示しました。
フアン氏はデルが会議を開催しているラスベガスでブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、我々はこの生成AI機能を世界のあらゆる企業にもたらしたいと考えている。単に箱を届けるのではなく、インフラ全体を提供する。これは極めて複雑なインフラだと語った。
デルは政府機関や企業にコンピューティング・インフラを提供する最大手プロバイダーの1社。これはエヌビディアが直接サービスを行っていない市場だ。
エヌビディアの売上高はここ1年で急増しているが、その大部分は「ハイパースケーラー」と呼ばれるデータセンター事業者の顧客グループに依存している。ブルームバーグ集計データによると、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コム、アルファベットが最大顧客で、デルもその後に続く。
エヌビディアの事業拡大計画は、政府機関や企業に独自のAI機能開発に着手させ、同社製品の需要を押し上げられるかどうかにかかっている。そのためにはデルが提供するストレージやネットワーキング、コンピューティングが必要であり、だからこそデルは不可欠なパートナーだとフアン氏は説明した。
フアン氏の下でエヌビディアはソフトウエアツールやコンピューター設計、AIモデルに注力し、同社の技術は創薬から造船まで多様な分野に広がった。デルのマイケル・デルCEOはブルームバーグテレビジョンに対し、エヌビディアが成功したのはAIへのシフトに備え、競合他社をしのいできたからだと語った。