マイクロソフトクラウド好調AI支出は過去最大 2025年7月31日
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サティア・ナデラCEO
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-07-30/T08AYZGPWCM700?srnd=cojp-v2
米マイクロソフトは30日、AIサービスを支えるデータセンターの拡張に向け、7-9月(第1四半期)に300億ドル(約4兆5000億円)以上を投じる計画を明らかにした。
同社のクラウドコンピューティング事業の成長加速が好感され、株価は時間外取引で一時9%急伸。このペースが続けば、時価総額が4兆ドルに達する世界2番目の企業となる見通し。
同日の発表資料によれば、注目のクラウドコンピューティング事業「Azure」の4-6月(第4四半期)売上高は前年同期比39%増となり、アナリスト予想の34%増を上回った。7-9月期の増収率見通しもアナリスト予想を超えた。
同事業の6月通期売上高は34%増加し750億ドル(約11兆2000億円)超。企業向けにコンピューティング能力や各種サービスを提供しているAzureの売上高を金額ベースで公表したのは今回が初めて。
今回の結果は、AI時代で最も多額の投資を行う企業の一角であるマイクロソフトが、売上高の増加として成果を出し始めていることを示唆している。
同社株は30日の通常取引を513.24ドルで終了し、年初来上昇率は約22%。
サティア・ナデラCEOはアナリスト向け電話会見で、個人や企業、開発者向けに展開するAIチャットボット「Copilot」の月間アクティブユーザー数が1億人を超えたと説明した。マイクロソフト製品全体でAI機能とやり取りしている顧客は8億人に上るという。
ナデラ氏は「マイクロソフト 365 Copilotは、仕事を整理する新たな方法になりつつある」と語った。
他社もAIユーザー数の拡大を報告している。アルファベット傘下のグーグルは先週、AIアシスタント「Gemini」アプリの月間アクティブユーザー数が4億5000万人を超えたと発表。オープンAIは3月、対話型AI「ChatGPT」の週間アクティブユーザー数が5億人に達したと明らかにしている。
マイクロソフトはここ数年、オープンAIの技術を含むAIツールを自社製品全体に展開。会話型チャットボットや高度な自動化機能が、生産性ソフトウエアやクラウドサービスの売上高拡大につながると見込んでいる。
一方で、生成AIのトレーニングやツールの需要急増に対応するため、データセンター建設を急ピッチで進めており、そのコストは大きい。4-6月期の設備投資額は前年同期比で27%増え242億ドルと、過去最大に達した。
今後さらに拡大する見通しで、エイミー・フッドCFOは「目の前に広がる大きな成長機会に引き続き投資していく」と述べ、7-9月期に300億ドル超を投資する計画を示した。これは前年同期比で50%以上の増加に相当する。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、アヌラグ・ラナ氏とアンドルー・ジラード氏はリポートで、Azureの4-6月期の力強い成長はマイクロソフトの積極的な設備投資に対する投資家の懸念を払拭する可能性があると指摘。「今後もAI事業への投資拡大が正当化されるとみられ、サーバーやGPUなど短期的な資産向け支出の比率が高まるだろう」と予測した。
クラウドサービスの競合であるアマゾン・ドット・コムやアルファベットも、相次いで大規模な拡張計画を打ち出している。アマゾンは31日に決算発表を予定しており、クラウド事業の業績と設備投資に投資家の関心が集まる見通し。
マイクロソフト全体の4-6月期売上高は18%増の764億ドル。市場予想は739億ドルだった。1株利益は3.65ドルで、市場予想の3.37ドルを上回った。