分散型イノベーションコモンズ - Decentralized Innovation Commons
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イノベーションコモンズに関する元文献
Innovation Commons: The Origin of Economic Growth by Jason Potts (2019) @profijasonpotts 総評: 絶対にこういったチャレンジがでてくるし、なんならDeSciはそのようなものとして期待されている。
次の課題、これを"研究開発の死の谷"の観点から再考する。
イノベーションコモンズが解決するのは、研究シードへの投資やガバナンスであって開発そのもののプロセスではない。
開発は依然として既存の企業等が担う領域になる。
関連する分野
分散型サイエンス / DeSci
メタサイエンス / SciSci
メタガバナンス
イノベーションコモンズ by Potts
1. 知識や失敗に関するあらゆる情報が集積する場所
2. 成功するアイディアがコモンズから出ていくことで、最終的に場所が消失する。
3. つまり、失敗することで消滅するコミュニティではなく、成功することで消滅するコミュニティ。
eg. Homebrew computer club: 1975-86
Appleのスティーブ・ウォズニャックやスティーブ・ジョブズもここから生まれた。
Pottsはさらにビットコインなどようなクリプトもこのようなイノベーションコモンズから生まれたのではという言及をしている。
制約
場所に依存。少なくとも非常に強い蓄積のドライブになる。
アイディアの供給源があるトピックに基づいたコミュニティなので、プロダクト等が生まれる状態になれば時間的、競業的な観点からコミュニティが消失する。
問題は、そこで生まれた運営の財産も消えてしまうこと。それ自体は他のコミュニティが共有可能な側面もある。=メタガバナンスの共有する仕組みがあるとよい。
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分散型イノベーションコモンズ
濱田の造語。
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イノベーション生成のコモンズを物理的な場所に依存しない&非中央集権的に成立させる分散的なコモンズ。
そしてが複数乱立する仕組みを支えるガバナンスポリシーがあれば、持続的にプロダクト創出を支援でき、コミュニティを生み出す供給源になる。
また、複数乱立し、コモンズがなくなったとしても、新たなトピックにおいてガバナンスポリシーを利用することでよりよい活動を促進できるかもしれない。
大学等は、アメリカではイノベーションのコモンズを集積する場所として機能してきた。そのような場所をバーチャル上に構築できないか。
メタバースを利用した空間的な知見の共有。
LLMなどを利用した知見の集積。
IP-NFTなどによる取引のしやすさの向上。
ビッグサイエンスに利用するのはありかもしれない。
WWWはもともとCERN内でのコミュニケーションを加速させるようなものとして導入された。
時間的無制約等は必要かもしれない。→ 思考の時間を短縮すれば良いというわけではない。
思考とアイディア創出の非線形性。
関連アイディア: impact certificatesはこの仕組みの基盤になるかもしれない。
社会に対する貢献から資金提供のキュレーションを促す。
潜在的な制約
集合知の罠。
ガバナンスポリシーが単調であったり、阻害要因があると逆にアイディア創出を阻害してしまう可能性がある。
過去のやり方にこだわりすぎて、ガバナンスポリシーがうまく働かない可能性もある。
いかに多様性を促進や、担保ができるか。
資金調達の難しさ。
適度な情報のランダムネスをどうやって入れ込むのかは難しいところもある。
謝辞:
大林侑平 博士にはイノベーションコモンズについてコメントをいただき、分散型イノベーションコモンズに関する着想にアドバイスをいただいた。
Scientists used ChatGPT to generate an entire paper from scratch — but is it any good?
AI language tools risk scientific diversity and innovation