破局
主人公が異質にも感じられるけれども、自分にもそういう部分があるんじゃないかとか。
空っぽな感じが、実はみんなそうなんじゃないかとか。
私を阻むものは、私自身にほかならない――ラグビー、筋トレ、恋とセックス。ふたりの女を行き来する、いびつなキャンパスライフ。28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。
選考委員絶賛!
スポーツによって他者を滅ぼし、同時にセックスによって他者から滅ぼされてゆく展開は見事。新しい才能に目を瞠らされた。ーー平野啓一郎 ほとんどゾンビ化している人間たちによる群像劇。この作者は、きっと、手練(てだれ)に見えない手練になる。ーー山田詠美 「私」は嫌味な男だ。にもかかわらず、見捨てることができない。社会に対して彼が味わっている違和感に、いつの間にか共感している。もしかしたら、恐ろしいほどに普遍的な小説なのかもしれないーー小川洋子 https://gyazo.com/b0b4ee68f8adf4c930c939d49725fd85