家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった
祖父江慎の装丁が良いというのと、弟さんがページ番号を書いているということで、単行本を購入。 エピソードの順番も工夫されてるので。
『波よ聞いてくれ』が好きだというこうとで、ちょいちょい鼓田ミナレ節になってる。 このテンションでこの内容を書けるのは、強い。
「忘れるという才能」から。
わたしにとって生きるというのは、がんばることではなかった。ただ毎日「死なない」という選択をくり返してきただけの結果だ。
でも、家族を残して、死ぬことはできなかった。だから、生きた。何をがんばるでもなく、ただ、毎日、死なないようにした。
その代わり、忘れることにした。楽しい思い出も、悲しい死に様も、心の隅に追いやった。そしたら、辛くないことに、気がついた。
ちなみになぜわたしがこんなに細かく説明できたかというと、スマホのメモ帳に書き留めていたからだ。
愛おしいなあ、と思った。そして気がついた。わたしは忘れるから、書こうとするのだ。
そしてたどり着いたのが、エッセイだった。
重い人生だから、せめて足どりくらいは軽くいたいんだ。
知らんけど。
笑えて泣ける岸田家の日々のこと
ベンチャー起業家で急逝した父――
文筆家・岸田奈美がつづる、
「楽しい」や「悲しい」など一言では
説明ができない情報過多な日々の出来事。
笑えて泣けて、考えさせられて、
もくじより
◎弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった
◎どん底まで落ちたら、世界規模で輝いた
◎グーグル検索では、見つからなかった旅
◎先見の明を持ちすぎる父がくれたもの
◎忘れるという才能
【編集担当からのおすすめ情報】
岸田さんの文章は、人の感情をゆさぶる力があります。岸田さん節が炸裂するギャグに爆笑した次の瞬間、涙があふれてきます。私など、
読んだ後、見える世界の景色がきっと美しく清々しいものになるはず。ぜひ体験してみてください。
https://gyazo.com/fca4790fa5647ddd4ce78be2f58e458f