ファイト・クラブ
あのころのぼくの人生は完全すぎた。おそらくぼくらは、前進するために一度すべてを壊さなければならないところに来ていたんだろう。
だが、遅かれ早かれ死ぬことが確定している我々は、日々、神に銃口を突き付けられているのと同じではないか。
カルト的人気があるのもわかる。
若い頃にハマってたら、何か違っていたかも。
小説は勢いがありすぎて、先に映画でネタバレしてなかったらついて行けてたか怪しい。 おれを力いっぱい殴ってくれ、とタイラーは言った。事の始まりはぼくの慢性不眠症だ。ちっぽけな仕事と欲しくもない家具の収集に人生を奪われかけていたからだ。ぼくらはファイト・クラブで体を殴り合い、命の痛みを確かめる。タイラーは社会に倦んだ男たちを集め、全米に広がる組織はやがて巨大な騒乱計画へと驀進する――人が生きることの病いを高らかに哄笑し、アメリカ中を熱狂させた二十世紀最強のカルト・ロマンス。デヴィッド・フィンチャー監督×ブラッド・ピット&エドワード・ノートン主演の映画化以後、創作の原点を著者パラニューク自らが明かしたあとがきと、アメリカ文学研究者・都甲幸治氏の解説を新規収録。 https://gyazo.com/37e56f6b1ce59521b2554b0929e6280b