こころ
漢字の意味がわからなくてもふりがなを読むと意味がわかったり、逆に、読み方がわからなくても漢字から意味を推測したり。注釈を読まなくてもすらすらと読むことができる。
その漢字の当て方だとか、言葉の使い方だとか、明治の次々に言葉が生まれる時代を感じる。 当時の時代背景の影響の大きい物語だと感じた。
最終的に明治天皇の崩御が引き金となるあたり。
ただ、死ぬべきなのに生きる苦しみ、というのは今でも通じる。
伏線回収せずに終わるので、調べてみたところ、本当は複数の短編で1冊になるはずだったが「先生の手紙」が想定以上の分量になったとのこと。
あなたはそのたった一人になれますか。
親友を裏切って恋人を得た。しかし、親友は自殺した。増殖する罪悪感、そして焦燥……。知識人の孤独な内面を抉る近代文学を代表する名作。
鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生"と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇――それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。
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