スマブラ競技シーンと公式の微妙なカンケイの歴史
スマブラの競技シーン、すなわち1対1アイテム無し格ゲー的な遊び方をする"ガチ勢"と、スマブラ公式との間には長い間溝があった。近年はそれが徐々に埋まり始めている。
ネットワーク対戦の歴史
公式にとってスマブラはパーティーゲームであり、1体1のアイテム無しでの遊び方は推奨してこなかったが、徐々にガチ勢向けの作りになっていった。
WiiのスマブラX(2008年)でネットワーク対戦が導入された。アイテム無しで対戦するにはフレンドになるしかなかった。
この時代はまだマイナーアップデートやバランス調整も無し。
WiiUのスマブラ4(2014年)でようやく「ガチ部屋」と呼ばれるアイテム無しの1対1モードが追加される。それでもレーティングが無いためそこまで多用されず
この流れで、非公式レーティング対戦サイトのスマメイトが出来る。日本国内のオンラインガチ勢の主戦場はここになる。 バランス調整が導入される。個人的にはかなり大味な調整だった。
SwitchのスマブラSP(2018年)では、レーティングの代わりに「世界戦闘力」という指標が導入され、ますますガチ勢向けの作りに。
世界戦闘力上位者限定のVIP部屋(英語版ではElite Smash)が導入されるなど、ガチ勢を意識した作りになる(VIP部屋に入れる条件は諸説あり、上位3%が入れるとも言われているがよく知らない)
VIP部屋という明確な目標ができたことにより、1対1モードで対戦する人が増えて実力の底上げに大きくつながった気がする。
それでもレベルの高さや、オフライン大会のルールに似た対戦ができるスマメイトは依然としてガチ勢の主戦場。 また、スマブラSPの開発には過去作のトップランカーが関わっていることも明らかに。そのため、発売初期からゲームバランスは過去作で最高だったと思われる。調整もスマ4時代と比べると慎重に。 オフラインイベントの歴史
どの時代も基本は非公式大会中心。ネットワーク対戦同様、徐々に公式側が歩み寄るような歴史がある。
64時代やゲームキューブ時代には非公式大会だけでなく、公式の1対1大会があったらしい。
それでもストリートファイター等の生粋の格ゲーと比べると消極的ではあった。
あんまり詳しくないので各自調べてください。
Wii時代には公式大会は(たぶん)無かった
推測だが、格ゲーへのアンチテーゼとして開発されたスマブラが、スマブラDX時代から本格的に格ゲー的な1対1の遊び方をされ始め、その反動で公式側がそういった遊び方を推奨するのをあえてやめていたような気もする。
競技シーンと公式の溝が最も深い時代とも言える。
スマブラ4時代から、非公式大会と公式が連携し始める。
海外大会でも任天堂のロゴが入った(協賛?)大会が増え始める。
スマブラSP時代から、公式が「1対1 アイテム有り」のイベントを開催し始める。1対1アイテム無し大会は依然としてコミュニティ中心。
ちなみにアイテム有りというルールながら、アイテム無しのガチ勢が上位を占めた
公式イベントは1対1アイテム有り、非公式イベントは1対1アイテム無しの住み分けが確立
ある意味で、パーティーゲームを目指した開発サイドと、格ゲー的な遊び方をしてきたコミュニティがたどり着いた妥協点とも思える。
EVO Japan 2020(アイテム無し大会)では、ディレクターの桜井政博氏が表彰式に登場。コミュニティベースの競技イベントに登場したのはおそらくこれが初で、個人的には歴史的瞬間だった。