スマメイトのレーティングの偏りから見る、目標が人を動かす力についてと、データの見せ方について
一般に、マラソンのゴールタイムをヒストグラムで見ると、3時間や4時間と言ったキリのいいタイムを境に、ゴールしたランナーの数がグッと減ることが知られています。「マラソン タイム ヒストグラム」で検索するとたくさん見つけることができ、例えばこちらの記事(https://note.com/cidolfas/n/nd4aba86cf958 ) にある横浜マラソンのタイムをヒストグラム化したものを見ると、キリの良いタイムを境に見事に崖が出来ているのがわかります。これは、目標というものに人を動かす力があることを示していて、僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた にも言及されています(この本では、この目標が人を動かす力について、良い側面だけでなく、目標に囚われすぎてしまってかえって人生に悪影響を及ぼしてしまうケースについて解説されていて、非常に面白い本です)。 さて、スマブラの非公式レーティングサイトであるスマメイトでも同じようなことが起きているに違いないと思い、スマブラSP第11期の上位200人のレーティングをヒストグラム化してみました。 https://gyazo.com/95be4b005d1d78c2502e2a05d56841be
案の定、というか予想以上に顕著に出ていました。特に「スマメイトレート2000」というのは、オンラインスマブラ界隈においては最上位勢の証のような存在になっているので人を動かす力が大きく働いているようです。スマメイトのレーティング戦は、目標を達成すれば辞めるという選択ができるので、マラソンよりも顕著に出るのだと思います。プレイヤーの心理からすると、レート2000を達成すると、リスクを犯して上を目指すよりも、これ以上対戦しないでレート2000という輝かしい称号を維持しようという力が働きます。キリのいいレートという目標が、プレイヤーを動かす力になっているのと同時に、いわゆる燃え尽き症候群のように、目標を達成してしまったプレイヤーの動きを止めてしまっている、とも言えるかもしれません。
ここで私の言いたいことは以上ですが、ここでもう1つヒストグラムを。これは、上のヒストグラムと同様にスマメイト上位200人を20区切りでヒストグラム化したものですが、区切り方を「0~20, 20~40...」ではなく、これを10ずつずらして「10~30, 30~50...」としたものです。
https://gyazo.com/b442b9ffd69e468feb9c62eea6e5a08c
(ちなみに、先程のヒストグラムと横軸目盛りの幅が違うんですが、これは私のスプレッドシートスキル不足のせいです…)
相変わらずキリのいいレートに人が集中しているのがわかりますが、上のヒストグラムに比べるといくらか均されているのがわかります。例えば、上のヒストグラムは最大で62人居たのに対して、下のヒストグラムでは最大38人となっています。
何が言いたいかというと、同じデータでも見せ方によって結果が変わってくるということです(もっともこの例では結論は変わりませんが)。この世にある、データを何らかの形で加工して作られたランキングも、あくまで見せ方の1つであって、絶対的な答えではないので、グラフやランキングを見るときには肝に銘じておきましょう(いわゆる「数字は嘘をつかないが嘘つきは数字を使う」ってやつです)。 #ランキング論 最後に、今回使った上位200人のレーティングです。
code: sumamate_rating_top200.txt
2303
2301
2301
2228
2219
2204
2201
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2187
2174
2170
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以下自分用メモ
const ratings = Array.from(document.querySelectorAll('.rate')).map((el) => el.innerText).map((e)=>parseInt(e));