スマブラプレイヤーランキングは「本当の強さ」順になっているのか
世の中には色んなスマブラのプレイヤーランキングがある
世界戦闘力、スマメイトのレート、JPR、PGR、地方ランキング、大会シリーズごとのランキングetc これらのランキングは「本当の強さ」順になっているか
「本当の強さ」の定義は、ざっくりと「全世界の人が参加する大会を無限回したときの平均順位」みたいなイメージ。
答えっぽいもの: 「そのランキングに集計される試合に、十分な回数参加した人の中では、ほぼ「本当の強さ」順になっている」
例えばスマメイトのランキングは「スマメイトに十分な回数参加した人」に限ればほぼ「本当の強さ」になっている、だろう
逆に言えば「スマメイトに十分な数参加してない人」の強さは、スマメイトのランキングでは知ることはできない(当たり前)
なので、基本的にはランキングと呼ばれるものは、スマメイトや大会シリーズごとのランキングのように、ある枠組みの中で行われた試合だけで作られているものと、PGRやJPRのように色んな枠組みで行われた試合をうまい具合に混ぜて作ったものがある。 ここでは前者を「閉じたランキング」、後者を「開いたランキング」と呼ぶ
閉じ具合、開き具合には程度がある
最も閉じた状態: プレイヤー2人だけで十分な回数の試合をして、その勝率で強さを決める。この「2人だけのプレイヤーランキング」は、かなり正確だが、2人間の強さしか測れない。
最も開いた状態: 世界中のあらゆる試合をいい感じに集計して、強さを決める。より多くの人をカバーできるが、正確さは落ちる。
PGRはこれに近い。そして、これを日本人だけに「閉じた」ものがJPR 開けば開くほど多くの人をカバーできるが、正確さが落ちるので賛否両論になりがち。
なぜ開くと正確さが落ちるか
一般的に、あるものとあるものを比較したいときは、前提条件が揃えば揃うほどよい。ある枠組みの中で閉じたランキングは、プレイヤー間で前提条件が揃いやすいのでランキングが正確になる。開けば開くほどより多くの人をカバーできるようになるが、前提条件が揃わなくなるのでランキングの精度が落ちる。
例えば、スマメイトに加えて、タミスマやマエスマの結果をもとにランキングを作ろうとすると、カバーできるプレイヤーは増えるが、各プレイヤーの前提条件が揃わなくなるので、比較の精度が落ちる。→ 賛否両論になる。
(余談) よく、ランキング作りの話になると「システム(計算式)をどうするか」的な話になるが、そもそもこういう「開けば開くほど(=前提条件が揃わなくなるほど)ランキングの精度が悪くなる」という性質からは逃れられない
トーナメントのシードはどう決めればよいか
用語定義: ここで言うシードは、日常でよく使われる○回戦免除的な意味ではなく、トーナメントで強いプレイヤー同士が早い段階で当たらないように振り分ける仕組みのこと。challongeやsmashggと言った主要なトーナメントツールでは、単に強さ順にプレイヤーを並べれば、自動でいい感じに配置してくれる (私個人の結論) 開いたランキングをベースに、適宜トーナメント作成者が(主観的に)調整しながらトーナメント表を作るのが良い
閉じたランキングは正確だが、「漏れ」が多いため、めちゃ強いプレイヤーがノーシードになってしまいがち。個人的にこれはかなり避けたい
開いたランキング(PGRやJPR)は、漏れが少ない。ただし、それでも「ランキングシステムでは拾いきれなかった猛者」みたいな人が出てきてしまうので、それは適宜調整する
例えば、日本でオフ大会を開くときにはJPRをベースにしつつ、「初めてオフ大会に参加するWIFIのすげぇ人」とか「PGRに載るほどではないけどヨーロッパで結構強い人」みたいな、JPRやPGRではカバーしきれなかったけど明らかに強いのが確定しているプレイヤーは、特例としてそれなりのシードを与えてあげる、みたいな運用
言うまでもなく、こういった主観的な調整は公平性の観点からしてどうなのか、的な話もある
これは要するに、ランキングだけを使い主観を限りなく排除した「公平だけど精度が低い」方法と、ランキングで拾いきれなかった人を主観的に拾い上げる「不公平だけど精度が高い」方法のどちらにするか、という話。「公平で精度が高い」方法があれば間違いなくそれを採用すれば良いが、それがないので公平さと精度のバランスを取りながらやるしかない。
いろいろな考え方があるが、個人的には「強い人同士がトーナメント序盤で潰し合う」ことが一番避けたいので、そのためにはある程度主観的な調整は仕方がないかな、という感じ。
例えば、ウメブラ1回戦で「ザクレイ対へろー」とか「しゅーとん対YB」とかは変だよねっていう話です。
ちなみに、YBさんは2GG: Prime SagaでスマSPで初めてのオフ大会にも関わらず800人中51番目のシードだったが、これは「初めてオフ大会に参加するWIFIのすげぇ人」の代表例 実際メジャーなスポーツでも、これに似た特例的な措置は行われいて、そしてやはり賛否両論になりがちっぽい
まぁそんなにガチじゃない大会でなければ気にすることではないとは思う。