ハンモックスタンド設営の実践ガイド
ハンモックスタンドを安定して設営するための実践的なノウハウを、物理法則や実証実験に基づいて解説します。
スタンドは人間の体重を支える必要があるので、一般的なテント設営と同じ感覚で挑戦すると、失敗しがちです。
逆に、ノウハウを忠実に実践すれば、まったくの初心者でも、あっさり成功する可能性が高まります。
まずは一度ノウハウを試して、慣れてきたら、ぜひご自身の工夫を加えて発展させてください!
一度にすべてを実践するのは難しいですが、ざっと目を通しておくと、いざという時に役に立ちます。
この記事はスタンドの「立て方」「使い方」を解説します。「作り方」の解説は 👉️ こちら をご覧ください。 ノウハウの例(詳細は後で解説します)
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設営の基本
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① ハンモックの片側を木に繋ぐ
② もう片側をポールに繋ぐ
③ ポールをロープで支える
④ ロープをペグで固定する
基本はシンプルですが、
どんなポール・ロープ・ペグを選ぶか
どんな角度で繋ぎ・支え・固定するか
によって、スタンドの安定性は大きく変わります。
この記事では、そのような、適切な道具の「選び方」や「使い方」のノウハウを紹介します。
個々のノウハウは、曖昧な経験則ではなく、明確な物理法則や実証実験に基づいて解説します。
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🈲 ぶっつけ本番は厳禁
スタンドを設営した経験のないキャンプ地で、ぶっつけ本番で、スタンド前提の宿泊をするのは危険ですのでご注意ください。
まずは近所のデイキャンプなど、失敗しても困らない状況で、設営の練習をすることをおすすめします。
練習はポール1本(片側は木)の方が、設営の手間が少ない分、試行錯誤がしやすく、早く上達できます。
ポール1本の設営に慣れれば、ポール2本の(木を使わない)設営も、自然とできるようになるはずです。
また、スタンドでのタープ設営についても練習しておくことをおすすめします。
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最初は「ほどよく固い地面」で練習
ペグで体重を支えるスタンドは、地面しだいで設営の難易度(必要な装備)が大幅に変わります。
砂浜や河原のような緩い地面に挑戦する前に、まずは固く締まった地面で練習することをおすすめします。
逆に、固すぎる地面はペグを打つのも大変で、ペグが曲がったり折れたりするリスクもあるので、避けたほうがよいでしょう。
また、練習で感覚を掴むことは大切ですが、どんなに経験を積んでも、過信は禁物です。
特に、砂浜や河原では必要な装備が増えるので、固い地面と同じ装備のままでは、ほぼ失敗します。
この記事で紹介するノウハウを実践すれば、様々な地面に柔軟に対応できる基礎が身につきます。
どこでもハンモックを楽しめるように、ぜひノウハウを身につけて、準備万端でスタンドを楽しんでください。
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長く太いペグを使う
スタンドを支えるのはペグなので、固定力の高いペグを使うほど、設営が安定します。
ペグの形と固定力の関係
ペグは長く太いほど固定力が増しますが、特に、長さが重要です。
下図のように、長いペグほど、高密度な深層に届くので、固定力が高まります。
しかし、人間の体重を支えるには、ただ長いだけのペグでは、固定力が足りなかったり、曲がったり、折れたりします。
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(このSlowerHiking.comの記事は、ペグについて深く広く学べるので、非常におすすめです。)
大きなペグほど、スタンドが安定
私のおすすめは、ハンモックスタンドのために開発された、長く太い 鎗ペグ(32 cm) です。 https://pbs.twimg.com/media/GvAjwnGawAAmKI_.jpg
(ニッチな商品のため、現在(2025年9月初頭)は在庫切れになっていますが、福善様が再販に向けて尽力されていますので、ぜひ、いいねやリポストで福善様を応援して頂ければ幸いです。) 一般的な30 cmくらいのチタンペグ等でも、固い地面であれば、スタンドを安定して設営できる場面は多いです。
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後述の様々なノウハウを駆使すれば、ペグにかかる負荷を減らせるので、鎗ペグでなければ設営できないわけではありません。
鎗ペグでなくても、お手元にある長めのペグで設営を試してみるのも、良い練習になります。
小さなペグだと、運任せ
あまりに小さいペグでの設営は、地面次第の、運任せになりがちです。
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また、運良くペグの抜けない地面が見つかっても、些細なきっかけで、小さなペグは曲がったり折れたりしやすいです。
設営経験のある既知のキャンプ地なら、小型ペグも魅力的な選択肢のひとつですが、未知のキャンプ地では運任せになりがち。
私は運に頼らず、どこでもハンモックを楽しみたいので、未知のキャンプ地では、鎗ペグ等の大きめのペグに頼っています。
とはいえ、大きなペグを打ち込めない固すぎる地面では、逆に、小さなペグが役に立つこともあるので、予備として持ち歩く価値はあります。(タープにも使えますし。)
砂浜・河原は要注意
地面のゆるい砂浜や河原では、大きな鎗ペグでも、1本だけだと抜けてしまうことがあります。
安く試すなら、農業用の「プラ杭」(49 cm、75円)も使えます。(ただ、深く打ち込むのが疲れます。また、河原では未検証。)
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逆に、河原や固すぎる地面は、ペグを打ち込み切れない箇所が多く、ペグの打ち直しが多くなりがちなので、かなり疲れます。
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ペグは垂直ぎみに打つ
ペグは70〜80°くらいの角度で打つと、地面の抵抗をうまく活かせて、抜けにくくなります。
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鎗ペグを開発した福善様の試験でも、固定力が高かったのは70〜90°とのこと。
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三角打ちで固定力を倍増
ペグを2本使って「三角打ち」をすると、固定力を2倍近くまで向上できます。
1本だと抜けてしまう地面では、ぜひ三角打ちを試してみてください。
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(ペグは地表スレスレまで打ち込んでください。この写真は説明のために途中で打ち止めた状態を撮影しています。)
(打ち込みが浅いと、テコの原理で、ペグが抜けやすくなります。)
打ち方(3パターン)
三角打ちは、色んな手法で、打つことができます。
ひとつは、上図のように「ドッグボーン」と呼ばれる延長ロープで分岐する方法です。 https://scrapbox.io/files/68285453b1240750ade46f31.jpg
ドッグボーンは、スタンドだけでなくハンモック全般の様々な場面でとても役立つので、この機会に自作しておくと便利かと。
三角打ちには「強力な自在金具」も使えます。
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ウーピースリングの素材(ダイニーマ、UHMWPE)は滑りやすく、ふつうの自在金具だと固定しづらいのでご注意を。
ハンモックを木に吊るための「デイジーチェーン」も、三角打ちに流用できます。
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ただし、この写真のような「正三角形」だと、固定力は2倍にはならず、わずか1.73倍しか得られません。
固定力を2倍に近づけるには、2本のペグを「適切な間隔」に配置することが重要です。
効果的な打ち方
三角打ちは、ペグ同士の間隔が広すぎても狭すぎても固定力が落ちます。
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ペグの間隔が不適切だと、、、
広すぎ → ペグに余計な負荷がかかる
狭すぎ → 2本のペグの負荷が、同じ地面に集中し、崩れやすい
2本のペグの固定力を最大限に引き出すには、ペグを刺している2ヶ所の地面も最大限に活かすことが重要
ペグの間隔の4倍の長さのドッグボーンを使えば、ペグを適切な間隔に配置でき、固定力が約1.93倍まで向上します。
【補足】他の打ち方
複数本のペグを使う打ち方は他にもありますが、固定力の増加率が低かったり、道具や手間が増えたりします。
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こうして比べると、三角打ちが、いかにシンプルでありながら、負荷を均等に分散し、効率よく固定力を高められる手法であるかがよく分かります。
三角打ちの効果の実演
三角打ちの効果を目で見て確かめられる実験をしました。
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なお、この実験では効果が目に見えるように、あえて、抜けやすい「小さなペグ(剱 10 cm)」と「ペグを手で刺せる緩めの地面」を選びました。
(また、この動画では三角打ちの他に「長いロープ」の効果も実演していますが、長いロープもすぐ後で詳しく解説します。) /icons/hr.icon
ペグの間隔 ≒ 手を広げた長さ
ハンモックスタンドを支えるペグの間隔は、手を広げた長さ(1.7 mくらい)が目安です。
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ペグの間隔が広すぎると、ペグに余計な負荷がかかります。(理由は上述の「三角打ち」と同じ)
逆に、狭すぎると、ハンモックの横揺れなどで倒壊するリスクが高まります。
なお、ロープが短すぎる(2.5 m未満)場合は、ロープの角度が広がってしまい、ペグに余計な負荷がかかるので、ご注意を。
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乗る直前まで、ペグは仮打ち
ペグは打つのも抜くのも疲れるので、ペグの位置が確定するまでは、軽めに浅く仮打ちするのがおすすめ。
ただし、うっかり仮打ちのまま乗ってしまうと、あっさり倒壊するのでご注意を。
(ハンモックに乗るときは常に、ペグやポールの様子を確かめながら注意することを習慣にしてください。)
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長いロープを使う
ロープが長いほど、スタンドが安定する
ロープが長いほど、ロープと地面の角度が浅くなり、ペグの固定力が向上します。
ロープが長い → ペグを横に引く → ペグがしっかり効く
ロープが短い → ペグを上に引く → ペグがすぐ抜ける
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長くて、丈夫で、調節できるロープ
スタンドを支えるロープには、長さ・強度・長さ調節が重要です。
長さ ⋯ 最低でも 2.5 m 〜(ポールの高さの倍以上。長いほど良い)
強度 ⋯ 安全に人間の体重を支えるため
調節 ⋯ ペグの打ち直しをせずに、ポールの位置を調節するため
ハンモックの普通の装備を流用できる
幸い、ハンモックを木に吊るための普通の市販のロープ、例えば、
ウーピースリング
ツリーストラップ
デイジーチェーン
などを、スタンドを支えるロープとして使えるので、追加の費用はかかりません。
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おすすめは、ウーピースリングとデイジーチェーンをカラビナで繋いだロープです。
長いからスタンドが安定し、微調節もできるから設営が楽です。ただし、嵩張るのが難点です。
もし、長くて、丈夫で、微調節もできて、嵩張らないロープが欲しくなったら、自作することもできます。
詳しくは、別の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。 (🇺🇸 英語ですが翻訳機能で読めます。いずれ日本版も用意します。)
短いロープでも、工夫次第
長いロープを張るには広い場所が必要ですが、狭い場所でも、条件次第で設営できます。
例えば、固い地面なら、下図のように、ポールと同じ長さの短いロープ(約 1.3 m)で設営できました。
この地面は固かったので、30 cm のチタンペグの1本打ちだけで、十分に安定しました。
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ただし、ペグの効きにくい緩い地面の場合は、鎗ペグの三角打ちなど、工夫が必要です。
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ポールを外側に傾ける
ポールを外側に傾けるほど、ペグの負荷が減って、スタンドが安定します。
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ただし、傾けるほど長く太いポールが必要になるので、「長いポール」か「強いペグ」かのトレードオフになります。
スタンドの総重量(ポールやペグを含む)を軽くすると、あまり長いポールは使えないので、このくらいの傾きが現実的。
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なぜ重要なのか、仕組みを一目で理解できるように、力のベクトルで図解したのが上の図です。
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ハンモックとポールは、短く繋ぐ
ハンモックが低すぎて尻もちをつく場合は、ハンモックとポールを繋ぐ「吊り紐」を短くすると、解決できる場合が多いです。
吊り紐の長さは、吊り紐をポールにグルグルと巻けば、ざっくり調節できます。
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ただし、雨の日は、ハンモックがタープからはみ出ないよう、ご注意を。
短く繋げば、高さ 123 cm のポールでも、フルサイズ(335 cm)のリッジライン付きハンモックを、尻もちつかずに吊れます。
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逆に、短いハンモックで尻もちをつかない場合は、落下しても怪我をしないように、むしろ低く吊ってください。
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リッジラインを使う
リッジライン付きのハンモックを使うと、スタンドの設営が楽になります。(というより、ないと面倒です。)
設営が楽・設営後も安定
リッジラインがあると、ハンモックに乗り降りしても、ハンモックの張り幅が変わりにくいので、
設営時に、ポールを立てる位置を決めやすい
設営後に、ハンモックから降りてもポールが倒れにくい
という利点があります。
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逆にリッジラインの付いてないハンモックの場合、ハンモックから降りるとテンションが抜けて、スタンドがやや弛みます。
なお、タープを張れば、リッジラインの代わりにテンションを保つこともできます。
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リッジラインのないハンモックで、かつ、タープも張らない場合は、細めのロープで構わないので、スタンドのテンションを保つためだけにリッジラインを張っておくと、乗っていないときのスタンドの弛みを抑えられます。
リッジラインは後付けできる
なお、リッジラインのないハンモックにも、安く簡単にリッジラインを後付けできるので、この機会にぜひ。
長いドッグボーン(ハンモックの長さの83%くらい)を、ただ繋げるだけで、リッジライン付きハンモックになります。
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リッジラインが付いていると、ハンモックのテンションを常に一定に保てるので、以下の利点があります。
寝心地が大幅に向上(一発で好みの張り具合になる)
設営が楽(木に吊る時も、スタンド設営でも、張り具合の微調整がいらない)
蚊帳も張りやすい(後付けタイプの蚊帳でも、別途リッジラインを張らずに済む)
小物(スマホ、照明、タオル、お菓子など)も吊れる
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埋没防止具を装着
ポールが地面に埋まると、スタンドが不安定になり倒壊するので、ポールには埋没防止具を装着してください。
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キャンプチェア用の埋没防止具を、ハンモックスタンドに流用できます。
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この埋没防止具は、潮が引いたばかりのベチャベチャに濡れた砂浜でも埋没を防げました。 買い方などの詳細はこちら(🇺🇸 英語ですが翻訳機能で読めます。) なお、ポールの埋没は、ポールの下に板を敷くことでも防げますが、不便なのでおすすめしません。(▶️ 7秒の動画) ポールの位置を調節するたびに、腰をかがめて鉄板も動かすことになり、面倒かつ疲れる
ポールが滑りやすくなり不安定
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板を敷くのは「応急処置」としては有効ですが、不便なので、あらかじめ埋没防止具を装着しておくことをおすすめします。
⚠️ カーボンポールの足は必ず保護してください。
無保護だとすぐに破断する恐れがあります。(Tensa Outdoorさんからご助言を頂きました 🙏)
埋没防止具を装着すれば、ポールの保護も兼ねるので、一石二鳥です。
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木に高めに繋ぐ
ハンモックは足側を高く吊ると快適に眠れます。
123 cm のポール1本でスタンドを設営する場合でも、木に繋ぐツリーストラップを高めにすれば、足側を高く吊るせます。
(ポール2本で設営する場合は、短め・硬めのハンモックを使うか、片方のポールだけ延長すれば、足側を高く吊るせます。) ハンモックの角度を調節するには、リッジラインに水平器を吊るすのがおすすめです。
水平器を目安にすれば、調節のために何度も乗り降りしなくても、毎回ちょうどいい角度で設営できます。
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詳しい使い方も、動画で丁寧に解説されているので、とても分かりやすいです。
私はこれを参考にして簡易版の水平器を自作しました。
厚紙に角度をつけて水平器を貼り付け、クリップでリッジラインに留めるだけなので、簡単に作れます。
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タープを先に張る
広い方を先に張る
ポールの間隔は、ハンモックとタープのうち、幅の広い方に合わせる必要があります。
ですので、ハンモックより大きなタープを張る場合は、ハンモックより先にタープを張ります。
(逆に、ハンモックより小さなタープを(日除けのため)に張る場合は、ハンモックを先に張ります。)
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ポールに引っ掛けるだけ
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あとは、タープの前後のガイラインをペグダウンすれば、手軽にタープを設営できます。
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タープの幅にハンモックを合わせる
間隔の調節
大きなタープを張ると、ポールの間隔はハンモックより広くなります。
広くなった部分の橋渡しには、ウーピースリングやドッグボーンを使うのがお手軽です。
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市販のウーピースリングだと、この用途には長すぎて嵩張るので、私は短いウーピースリングを自作して使っています。
高さの調節
ポールの間隔が広すぎると、ハンモックが低くなりすぎて、尻もちをつく場合があります。
解決策としては、例えば、以下のような方法があります。
短め・硬めのハンモックを使う
リッジラインのないハンモックを使う
設営例
短めのハンモックなら(リッジライン付きでも)、3.6 m 幅のタープと合わせても、尻もちをつきません。
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ですので、リッジラインのないハンモックなら、もっと大きくても尻もちをつかずに過ごせます。
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⚠️ただし、ポールを延長する方法はまだ安全性の検証が不十分なため、現時点ではおすすめはしていません。 https://scrapbox.io/files/681849cca521bc54cadca12b.jpg
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リッジラインをピン張り
ハンモックに人が乗ると、重みでポールが内側に傾いて間隔が少し狭まってしまい、タープが少し弛みます。
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① ポールを傾けてウーピースリングのテンションを抜く
② ウーピースリングを短くする
③ ポールを再び立てる
④ ウーピースリングが短くなった分だけ、リッジラインにもテンションがかかる
ちなみに、この設営動画では、ポールのすぐ近くでウーピースリングの長さを調節できているので、設営がとても楽です。 このウーピースリングは、スタンド設営のために作られた「ドッグボーン付きウーピースリング」なので、この動画のように楽に設営ができます。とても使い勝手がいいので、ぜひ自作してみてください。 https://scrapbox.io/files/68b8045c38ce9dbe4a38ee74.png
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ハンモックを高く吊らない
落ちても怪我をしないように、低く吊ってください。
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また、ハンモックの下に固い石や鋭利な道具などがないことを、乗る前に確かめてください。
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ゆっくり乗る
スタンドに最も負荷がかかるのは、ハンモックに乗る瞬間です。
ハンモックに乗るときは、ペグが抜けないか、ポールが倒れないか等、スタンド全体の様子を確かめながら、ゆっくりと体重をかけてください。
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準備は万端に
装備が不足していると、スタンドの設営は非常に難しくなります。
例えば、固い地面とまったく同じ装備のまま、砂浜や河原に挑戦しても、ほぼ失敗します。
逆に、装備さえ万端なら、まったくの初心者でも、あっさり成功する可能性が高まります。
慣れないうちは、無理に装備を減らさないでください。
いちばん大切なことは「どこでもハンモックを楽しめること」であり、
そのためには「スタンドを確実かつ安全に設営できること」が最優先のはずです。
慣れるまでは、
できるだけ大きなペグを使う
三角打ちができるように、予備のペグを準備しておく
ガイラインを延長できるように、予備のロープを準備しておく
というように、余裕のある装備を心がけると、安心してキャンプを楽しめます。
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失敗前提で対策する
スタンドの使用には、予期せぬ危険が伴う可能性があります。
簡単に見えても、思わぬ形で失敗することもあるので、十分にご注意ください。
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投稿の際には、出典の明記をお願いします
安全のため、この解説記事や私の X の投稿などを参考にして設営されたハンモックスタンドについて、SNSやネット等の 公の場で発信される場合は、出典の明記をお願いいたします。 スタンドは使い方を誤ると、怪我や破損のリスクがあります。出典のない形で不正確な情報が断片的に広まると、誤解を生み、不測の事態に発展しかねません。安全かつ正確な情報が広まるよう、ご理解・ご協力を心よりお願いいたします。
(※ すでに「作り方」の出典を明記済みの場合は、改めて「使い方」の出典を明記して頂かなくても大丈夫です。) 👉️ 出典の書き方についてはこちらをご覧ください。 /icons/hr.icon