阿頼耶識
阿頼耶識(あらやしき)の解説
基本概念
仏教の唯識思想(瑜伽行派)における「第八識」とされる根本的な心の層。
別名:**蔵識(ぞうしき)**(あらゆる経験の種子を蓄えるため)。
作用と特徴
業(ごう)の貯蔵庫
過去の行為(善悪)が「種子(しゅうじ)」として蓄積され、未来の運命を形成する。
輪廻の主体
死後も存続し、次の生へと連続する基盤とされる。
無意識的な活動
自覚されないが、他の識(六識や末那識)を支える基盤。
3. 他の概念との関係
末那識(まなしき・第七識)
阿頼耶識を「自我」と誤認し、執着する働きを持つ。
六識(眼・耳・鼻・舌・身・意識)**
日常的な感覚や思考は、阿頼耶識の影響を受けて活動する。
宗教的意義
解脱の鍵
阿頼耶識に蓄積された煩悩の種子を浄化し、「転識得智(てんじきとくち)」を目指す。 人間の苦の根源を分析し、悟りへのプロセスを理論化。
現代的な解釈
ユングの「集合的無意識」や現代心理学と比較されることがある。 哲学的な議論
「自我」の実在性を問い直す材料として再評価される。
※ 唯識思想の核心的概念であり、解釈は宗派や学者によって異なる場合があります。