Open Source Urbanism
伝統的な都市管理のパラダイムでは、地方自治体は、道路、空き地、公共公園などのオープンアクセスの都市資源を、禁止と制限のトップダウン方式で規制している。都市開発への市民の参加は、市当局や専門家によってますます重要視されるようになっているが、都市空間は依然として高度に争われる空間である。多くの都市では、企業による都市空間の支配が、「小さな、そして/または、公的な」空間を「大きな、そして、私的な」空間へと変貌させている。都市開発に参加する権利をめぐる争いは、近年、都市を再構築するための多くの草の根運動の核心である。
これらの運動の中には、都市空間をアーバン・コモンズとして創造・管理する権利、つまり、正式な所有権とは関係なく、コミュニティによって集団的に管理される都市空間を要求するものがある。アーバン・コモンズの定義に合致するプロジェクトはすでに存在する。多くの場合、それらは地方自治体や建築スタジオが主導し、調整し、促進するショーケースとして出現している。なぜなら、そのようなプロジェクトの開発は、コミュニティメンバーが、自治体との連携、不十分な自治、資金やボランティア、場所の不足など、様々な問題に対処しなければならず、長期的で複雑なプロセスであるためである。 アーバン・コモンズのコミュニティは互いに異なるが、いずれもこの種の問題に似た方法で直面しており、共同創造と共有のための効果的なメカニズムがないため、しばしば解決策を再発見している。本研究では、アーバンコモンズ領域におけるコラボレーションツールの設計を行い、関係者が共同で上記の問題を解決することを支援する。
同様のツールは、同じくコモンズを扱う他のコミュニティ、すなわちオープンソースコミュニティ(地理的に分散したボランティアのグループが集合的に知識コモンズの生産に取り組むなど)の成功に既に貢献している。オープンソース・アーバニズムという言葉は、「オープンソース・アーバン・コモンズ・コプロダクション」の略語であり、私たちは次のように定義しています。「市民が主体となって、アーバンコモンズとしての都市空間と、そのデザインドキュメントを自由に利用・共有できるナレッジコモンズとして共同制作すること」です。オープンソース・アーバニズムは、OSU実践のためのICTプラットフォームによって促進される地域コミュニティの実践であり、オープンなデザイン知識の共同創造を支援します(下図のコンセプトフレームワークを参照)。
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