達成目標理論に関する研究ノート─達成目標概念の変遷及び国内文献レビュー
達成目標理論
Achivement goal theory
達成動機づけ理論のひとつ
達成目標の違いが、課題への取り組み方、感情、課題のパフォーマンスの違いを生むとする理論で ある。達成目標の定義は提唱者により異なるが、大別して「自分の能力を伸ばしたい」とい う目標と、「自分の能力に対して肯定的な評価を得たい、あるいは否定的な評価を避けたい」 という目標の2つが想定されている。このように、どちらの目標も、ある課題達成場面にお いてどのように有能であろうとするかに焦点が当てられていることが大きな特徴である。そ の意味で達成目標は、有能さを求める方向性、有能さに関わる認知的要因であり、ある行動 を取る際に立てられるような具体的な目標のことではなく、より上位に位置する目標と言え る。
1980 年代に提唱された達成目標理論は、今なお、理論上においても、実証研究上におい ても発展を続けており、達成目標の概念自体が変化している。