足部内在筋と外在筋の機能
村上 茂雄 森田 正治 清水 和代
柳川リハビリテーション学院・福岡国際医療福祉学院紀要編集委員会
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近年、足趾屈曲筋力はバランス機能に好影響を与えることから筋力強化の必要性が提唱されている。しかし、足趾屈曲筋力に関与する足内在筋と外在筋の働きについて十分説明されているものは少ないと思われる。よって今回は、両筋群の働きについて先行研究から抜粋しまとめ、運動方法の検討も行った。
歩行時、内在筋である母趾外転筋、小趾外転筋、短趾屈筋は立脚期全般に、外在筋である長母趾屈筋や長趾屈筋は主に立脚中期に活動していることから、両筋群とも床面を蹴り出す直接的駆動力としては機能せず、床面に対して足部と下腿を安定化させる機能を有している可能性が考えられた。また、これら外在筋はゆっくりと歩幅の大きい歩行において強い活動を示したという報告もあることから、最も質的な足趾屈曲筋力強化運動の方法としては、半歩前進位での重心前方移動運動やゆっくりと歩幅を大きくした一歩前進運動や歩行運動が妥当ではないかと考えられた。