足部マッサージと腹式呼吸併用の生理的効果
片岡秋子
日本看護医療学会雑誌 2巻1号17-24、2000
本研究は、足裏刺激による足部マッサージに腹式呼吸を加えることによる生理的効果を検討する目的で実施した。
方法
被験者は、健康女性12名で、ベット上にあおむけになり、足部マッサージに腹式呼吸をした時としない状態でそれぞれ12分間実施された。
その2つのタイプ(足部マッサージに腹式呼吸をした時としない状態)の足部マッサージを実施する前、直後、5分後、10分後の自律神経活動を心拍変動のパワースペクトル解析によって評価した。
結果
足部マッサージのみ:終了10分後には有意に心拍増加。
腹式呼吸を加えた足部マッサージの場合には、心拍数は終了直後、10分後ともに有意な減少。
足部マッサージのみ:交感神経活動の指標としての低周波成分と高周波成分の比(LF/HF)は終了後有意な増加
腹式呼吸を加えた足部マッサージ:足部マッサージのみに対してLF/HFは減少傾向を示し、HF(副交感神経活動の指標)は終了後に有意な増加を示した。
今回の結果は、腹式呼吸を加えた足部マッサージは、足部マッサージのみの場合より、リラクゼイション効果が大きい
足部マッサージ(足裏への直接的な刺激)は、交感神経活動を活発にする可能性があるjunkaneko.icon