床反力値からみた裸足歩行に対する着靴歩行の特徴
Kazuo MAIE, Shiro KONDO, Hideyuki TANAKA, Akira OTSUKA, Shuichi TAKAHASHI, Mayumi FUJITA
人類學雜誌, 100(2), 183–189. (1992).
抄録
裸足歩行時 と着靴歩行 時の床反力 値 を比較 し,着 靴歩行時の特徴について考察を行った.実 験に用い た靴は,市 販されている3タ イプの紳士用 ビジネス シューズおよびカジュアルシューズであり,被 験者 は,36歳 から44歳にわたる同 じ靴サイズを有する日 本人男性4名 である.分 散分析および平均値の差の 検定の結果,(1)着 靴歩行時の各床反力値には個人差 が大きいこと,(2)着 靴歩行では垂直分力第1ピ ーク が高められ,垂 直分力極小値が低められる傾向がみ られたこと,(3)裸 足歩行時に対する着靴歩行時の床反力値の変化の傾向は,靴 の違いにかかわらず,被 験者ごとにほぼ一定していること,(4)革 底のフォー マル靴は他の靴と比較 して推進力を高める効果が低 いこと,が 示された. Keywords: