学童期運動器検診とその動向
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
抄録
運動しすぎる子どもとしない子どもの二極化が社会問題となっており,将来的なロコモティブシンドローム(ロコモ)が懸念される.その児童・生徒の運動器疾患・傷害の早期発見・予防を目的として,運動器検診が開始された.宮崎県で2015年度までに約54,000名を検診し,推定被患率は約10%であった.異常項目として,脊柱変形・下肢変形が多く,その他は肘関節可動性異常・上肢変形・肩関節挙上困難や歩容異常などであった.機能不全として,しゃがみ込み動作不可能を約10%に認めた.運動器検診や運動器に関する講話活動をとおして,小児運動器疾患の予防を達成し,心身の健全な発達を促進させ,ロコモ予防につながることを期待している.