フリーモーメント
偶力
偶力(ぐうりょく、英: (force) couple)とは、作用線が平行で、互いに大きさが等しく、方向が反対向きの2つの力 (F, −F) のことである。
偶力が働くと物体は回転をはじめるが、並進運動をさせる効果はない。
足にかかる圧力を中心とした回転する力の強さ
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圧力中心(center of pressure)または,足圧中心などと呼ばれるCOPは,重心の考え方と類似していて,フォースプレートに作用する鉛直方向の力分布の釣り合いの位置を指します.たとえば,
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のようにフォースプレートの床面に力が分布して作用しているとします.ここで,この力の鉛直方向成分だけを示したのが,次の図のようになります.
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この床反力の鉛直成分は無数の,f_izで構成されているとして,このf_izの頂点を集めると曲面を構成しますが,その曲面と接触している床面で構成されるグレーの部分の物体を考え,丁度,この物体が床面でバランスのとれる点がCOPに相当します.ここに,まとめて力Fが作用していると考えてよく,この代表点をCOP(圧力中心,足圧中心)と呼びます.これは重心の考え方と似ていますが,床面にCOPがあるところが少し異なります.
このように,床面に作用する力分布をCOPに作用する力Fとして代表させましたが,もう一つ残っています.それがフリーモーメントnと呼ばれる,フォースプレートと身体(足)の摩擦によって生じる鉛直方向に作用する力のモーメントです.下の図のように水平成分の偶力が作る力のモーメントで,偶力が自由ベクトルであることから,フリーモーメントと呼ばれています.
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このように,フォースプレートで計測した力分布が作る力と力のモーメントは,「COPに作用する力Fと鉛直成分を持つフリーモーメントn」に代表させる(等価変換する)ことができます.
一般に,COPの位置座標px, pyはフォースプレートが計測するモーメントをM=Mx, My, Mzとし,フォースプレートのセンサから見た床面の高さをcとすると, px = (-My + c Fx) / Fz
py = (Mx + c Fy) / Fz
と表され,フリーモーメントnは
n = Mz - px Fy + py Fx
で計算することができます.