TeXLive導入編:健康で文化的な最低限度の生活のためのChromebook設定
2020-05-17 texlive2020用にアップデート
TeXLiveは texに必要なファイルをまとめてインストールしてくれるので間違いがなく便利なのですが,フルインストールを行うと5GB以上のディスクを食うのでさすがにemmcで32GBとか16GB のChromebookには厳しい環境です.そこで日本語と英語のファイルをコンパイルしてPDFが作れる最低限に近いものを導入してみました.
まずはネットワークインストーラを入手します.これはChromebookではISOイメージをマウントして利用するのが困難だからです.ネットワークインストールの手順 から UNIX用のインストーラを入手して展開します.このとき,Chromeから名前をつけて保存で linux ファイルを選択するといきなりコンテナ内のlinuxのホームディレクトリに保存することができるので便利です. https://gyazo.com/6a6da96c3cf1f807dbb40341ddb38a3a
インストール用ディレクトリは自分で先に作って,ユーザを自分にしておきます.これはtlmgr を動かすときに毎回 sudo しなくて済むようにであるが危険かもしれないのでみなさんの判断にお任せします.
code:shell
sudo mkdir /usr/local/texlive/
sudo chown $USER /usr/local/texlive/
tar を展開するとインストーラのディレクトリができるのでその中でインストール用スクリプトを実行します.ディレクトリ名には日付がつくので実行時によって異なる可能性があります.
レポジトリとしてCtanのマスターではなく,国内にあって高速なことで有名なJAISTを指定しました.
code:shell
tar xf install-tl-unx.tar.gz
cd install-tl-20181219
s コマンドで インストールセットをfull から small に変更すると 500MBくらいに変更され ます.ここでさらに cコマンドで japanese (x) を追加すると 合計1GBくらいになるはずです. もうひとつ小さいやつでうまくいくかは試していないのでわかりませんが,あとで追加しないといけないファイルが多い可能性はあります.
https://gyazo.com/6250a15c1847a6dbcff7f2bdcd0c22d1
設定できたらi でインストールを開始しましょう.基本的にはこれで十分だが,いくつかのセットが足りないので必要なものはtlmgrを使ってあとからインストールすることになります.
およそ300ほどのファイルをインストールするのにネットワークの速度によりますが最低でも10分程度はかかるのではないかとおもいます.
https://gyazo.com/5fd24f998e113c6da4f5b38f8e137693
インストール完了したら環境変数を追加しましょう. ~/.profile に以下を追記しました.
ARMの場合とIntelの場合で PATHは異なるので注意してください.
code:~/.profile
echo "# texlive path" >> ~/.profile
echo "export MANPATH=$MANPATH:/usr/local/texlive/2021/texmf-dist/doc/man" >>~/.profile
echo "export INFOPATH=$INFOPATH:/usr/local/texlive/2021/texmf-dist/doc/info" >>~/.profile
echo "export PATH=$PATH:/usr/local/texlive/2021/bin/aarch64-linux #ARMの場合" >> ~/.profile echo "export PATH=\$PATH:/usr/local/texlive/2021/bin/x86_64-linux #Intelの場合" >> ~/.profile 追記完了したら,source ~/.profile で読み込み直せば texが動くようになります.
個人的な好みとして,latexmk は欠かすことができないので最初に導入しておきます.このツールは bibtexを含めて,latex でPDFを作成するときに必要な複数回のコンパイルを自動的に面倒みてくれるので,いつも使うべきだと思います.
さらに私がいつも利用する情報系の学会論文などをコンパイルするのに必要そうなパッケージの追加は以下のとおりです.多くの部分がインストールされているので半分くらいだけインストールすることになるかもしれないのですが,このあたりは自動的に面倒みてくれるので多い分にはあまり困りません.
code:tlmgr-for-paper.sh
tlmgr install latexmk
tlmgr install preprint comment lineno times float wrapfig
# ACM CHIスタイルファイル用(2018夏版)
tlmgr install helvetic ms txfonts footmisc psnfss ec placeins microtype ccicons xcolor todonotes pgf symbol rsfs xkeyval xstring etoolbox totpages environ textcase trimspaces ncctools iftex cmap tcaption booktabs
## その他用(本学卒論とか某社原稿用とか)
tlmgr install type1cm multirow zapfding ulem
これで,過去に書いたものも Crostiniの上でコンパイルできるようになったはずです.FILEアプリをつかえばChromeOS上から開けるので,ダブルクリックすればChromeブラウザ上でPDFを閲覧できるようになったとおもいます.