H3-MoM_H³ 第29回:グロースハック超入門_20200116
************************以下************************
written by ryosukick.icon
2020年1月16日(木)19:00-21:00 @ 日本橋ライフサイエl ンスビルディング
【講師】
講師紹介
2005年、筑波大学第三学群社会工学類卒業、2007年、神戸大学大学院経済学研究科を修了後、㈱アクシイズの立ち上げに参画。取締役としてSaaSの開発/販売に従事。2011年、同社を売却。 2012年、㈱インターネットインフィニティにて介護分野の新規事業の立ち上げに参画。法人向け相談サービスを軌道に乗せ、その後の同社の上場に貢献。 2013年㈱チームスピリットの立ち上げに参画。SaaSの営業/マーケティングを担当。その後の同社の上場に貢献。
2015年、Ginzamarkets㈱にカントリーマネージャーとして参画し日本市場の開拓。
2019年、Shoppingに感動体験をビルトインするため㈱StoreHeroを設立。
7350
【当日資料】
グロースハック入門_PDF用.pdf - Google ドライブ
https://gyazo.com/5641ce904e2c9c5b29e1a96ec0c4e54a
【概要】
自己紹介
大学院を卒業してからずっとデジタルマーケティングをやってきた。
いまはStoreHeroという会社をやっていて「10年後の体験型マーケティングを面白くする」ことを目指している 具体的には顧客接点を起点としたコマースビジネスの成長支援をしている。この10年でPCやスマートフォンの中で取れるデータを基にグロースハックをやっていて、そのデータを店舗まで広げようというイメージでいる。
今日はグロースハックのテクニックを使ってサービスを立ち上げる方法を紹介します。
起業/スタートアップは格好いいことをしても生き残らないと意味がないので、とにかく実践的な方法を紹介します。
できるだけバランス取ることを意識しましたが、偏った方法も一部含まれているかもしれません。
グロースハックとは
マーケティング×製品開発が重なる部分がグロースハック。データを使って顧客の反応を見ながらマーケティングの手法も製品開発もアクティブに変えていく営み。大手企業の場合だと、部門を超えてやっていく必要がある。
AARRRモデル:Acquisition(サービスを使い始めてくれる), Activation(サービスにハマってくれる), Retention(サービスを使い続けてくれる), Referral(人に紹介してくれる)、Revenue(お金を払ってくれる)というユーザーからみた行動の流れにそって、製品の成長モデルを組み立てるもの。 どこまで具体的にするか?
事業仮説は最初は空想。「こういう人にこういうものをこうやって提供すればいいのでは?」
ヒント「自分しかしらない真実はなにか?」「トレンドにあっているか」「Platformの変化は?」
自分しかしらない事実:
みんな知ってる×真実:レッドオーシャン
自分だけ知ってる×真実:ブルーオーシャン ←狙い目
それ以外は絶望か虚しい
StoreHeroの場合
Platformハックの変遷が「ウェブ」から「行動」へ遷移し始めて、今後は感情へとシフトすると仮説を置く
ウェブサイトをきれいに作るだけではだんだんダメになってきていて、ユーザーの行動やリアルな反響が必要に
なので「10年後の体験型マーケティングをつくる」会社を目指す
人が直接インターネットに接続して体験を得られるように
トレンド
スタートアップ1社でトレンドに抗うことは不可能。トレンドに乗ると急成長する。
StoreHeroの場合
サービスで体験を提供する事業が伸びている。不動産からスペースシェアへ、化粧品もサブスクへ
Shopifyという世界のEコマース事業者に圧倒的に使われているサービス グルメの場合:マスメディア(編集が入った特集記事)→ぐるなび(ディレクトリ検索)→食べログ(Google/キーワード検索)→Retty(SNS/口コミ)へとPlatformが変化するたびにサービスが変わってきている。
PMF仮説検証
ヒアリングで仮説を検証する。インタビューやアンケートは気軽にできるようになった
知人
SNSで声掛け
「かっこつけずに聞きに行く」がどれだけ初期動作で出来るようになるかは極めて大事。
StoreHeroの場合、海外のEコマースに出品している業者さんに下手な英語でオンラインMTGしていた。
今回の講演もTwitterでアンケートしてみた。売れるサービス作り(PMF)が一番重たかったので、そこを中心に話す
重点的に検証する内容
Who(課題)、What(解決策)、How(価値訴求)
MVPで仮説を検証
ある程度ユーザーにヒアリングして確信が持てたらLP(ランディングページ)を作ってみることをオススメ
ZapposもハリボテみたいなECサイトをはじめて、注文が入ったら隣の靴屋に買いに行っていた 格好良くないけど、靴の在庫を抱えるよりはよほど生き残りや成長にむけた仮説を研ぎ澄ませる
StoreHeroでもLanding Pageを作りまくった。2ヶ月で20回くらい作り直した。ちゃんとしたデザイナーではなかったが、頑張ればできた。
LPの例(上から順)
課題&解決方法
使い方
メリット(訴求点)
具体例
ポイント
きれいに作りすぎない
検証したいことをわかりやすく表現する
データで検証する
データを取ると聞くとハードルが上がるように感じるかもしれないが、いまは数千円でウェブページも作れるしアクセス解析もできるツールが沢山ある。プログラミングができない人でも色んな検証はできる。
https://gyazo.com/537b279c8fc85a794d2c0e1b4e309f08
「統計的に優位な結果」を得る必要は必ずしもない。良いアイディアかどうかは初速をみれば直感でわかる。
hotjarを使えば、ユーザーがどこを見ていたか動画を取ることが出来る。どこが良かったかも検証できる。 LPへの集客:
SEO、ではありません。時間がかかるので、まぁまぁ時間がかかってしまう。
Google Adwordsの優れているのは何も作らなくてもいいこと。広告文とLPだけで作りに行ける。
検索ボリューム
検索回数が大きく、深いワードの方が本丸。だが、少なくても深いワードの方がいい。
キーワード「花粉症」の場合
https://gyazo.com/0b1e931e118b646c7932fe3961c0907e
メール
まだ死んでいない。特にB2Bではバカにできない。
StoreHeroでも66県メール送って、開封率48.4%、クリック率は6.3%くらい見てくれた。
Hubspotを使えば、開封済みかどうかのサインも全部データがとれる。それを使いながらやれる。ウェブサイトに再訪問したかどうかも通知ができる。 検証とリリースのサイクルをとにかく細かく刻む
StoreHeroの場合
Q. 米国のブランドに「東京で店舗だしたいですか?」と聞く
A.「ニューヨークで出したい」と反響がくる
↓
Q. 「ニューヨークで化粧品店舗出しませんか?」
A. 「いいね!体験できる場所もつくれる?」
↓
慌てて人生初のニューヨークへ行って、物件を探したら何とか見つかった。
↓
最終的に複数のブランドから契約依頼をいただきました。
仮説検証の結果
デジタルマーケにも価値があることがわかった。
https://gyazo.com/c471ffb0625fd85f11f8aa828a818075
極意:売ってから作れ
ここまでのPMFが見えてから、初めてAARRRモデルへ移った方がいい
PMG後のグロースハック
AARRRで一番大事なのは真ん中のR、Retention(継続してくれるか)
なぜRetentionが大事か?
後々効いてくる。解約率が低いビジネスだと、100万円では5万円解約するだけでも、1,000万円では50万円解約される。解約率が高いといつか頭打ちになってしまう。
売り先が徐々に減る。スタートアップの場合、ニッチなお客さんからビジネスを始めることが多くて、その売り先はだんだんと減っていく。初期の顧客に継続利用してもらえることは、次のステップへ進むための最重要事項。
KPI
Web/Appの場合でよくみるのは「翌X日の再購入率」「翌X日の再訪問率」などを見ていくことが多い
店舗とWeb/Appを横断して計測する時代
AmazoGoのような次世代型小売店舗の場合、リアルでの体験とオンラインでのログが同期している。 Tips
なにかアクションをしてもらうとリピートされやすい(例:相談、クイズ、問い合わせ、クイズ、etc)
つながるポイントを複数持つとリピートされやすい(例:サービス利用、フォロー、イベント参加、メルマガetc)
Revenue(収益化)
LTV: 顧客単価×利用回数
何ヶ月でCACが回収できるか?
資金力のない会社の場合は短ければ短いほどよい
LTVを高めるには、どこに伸びしろがあるかを考える
値上げする
何度も買ってもらう(アップセル)
他のも買ってもらう(クロスセル)
Case: 花粉症の薬を販売している場合
何度も買ってもらう→伸びしろ厳しい
他のも買ってもらう→マスクや目薬、体質改善サポートのサブスク
値上げ→圧倒的に効果が高いものであれば値上げできるのでは
Acquitision/Referral
新しいユーザーを連れてくる取り組み
ただし、良い商品ができて、マネタイズの方法が作れたら集客をして成長速度を高める
どのPlatformに顧客はいるのか? 満遍なく広告は打てない、どこにユーザーは居るのか
保護者コミニティ
イベント
・・・
Case: 初めて花粉症になった人はどこにいる?
Google KW「はじめて 花粉症」でググる
耳鼻科に行く
・・・
PMFを検証する上でもHowとしてのAcquistion/Referral経路は事業構想の初期からイメージはしておきたい
入り込み方
オーガニック
たまたまやったわけではなく、元々そこにユーザーがいるのが分かっていた
Retentionにもつながる施策
コンテンツSEO:ターゲット顧客が検索するキーワードで上位を獲得する
専門性&網羅性が高い
信頼性が高い
わかりやすい
そのまま使える
医療系のサイトの場合はGoogleの基準が厳しいので検索順位を上げるのは結構な努力が必要
正しいだけでなく、わかりやすくてそのまま使えるサイトが大事。
黒瀬さん自身も初心者がコピペだけでプログラミングができるBlogをやってみたら、コピーされる数もセッション数もちゃんと伸びている。コピーされるコードを沢山用意してみた。
ソーシャルメディア:ターゲット顧客が属するコミュニティに貢献することが大事
ターゲットになっているユーザーがシェア/いいねしているものを調べて投稿する
コミュニティ内でよくシェアやいいねをしている人に絡む
コミュニティ内で発言力のある人と仲良くなる
StoreHeroの場合
事前準備してプレスリリースした記事は600セッション/日、多くの企業からRT、複数の案件相談Get
詳しいコンテンツを書いて、記事内でインフルエンサーを紹介した
できたばかりの無名の会社でもSNSを活用できれば最低限の認知を得ることが出来る
実際のプレスリリース
https://gyazo.com/fc954a6331d08073c60fe2d7e430a072
ゲスト出演
知名度がないうちは権威のあるメディア/チャンネルへゲストとして登場する
Youtubeチャンネル
Podcast/Voicy
専門メディア
寄稿できるサイト
「XXX 寄稿」でググって出てくるサイトに寄稿してみるのも良いかも。コンテンツには意外と飢えている
コンテンツ運用のコツ
1つのネタを記事、インフォグラフィック、セミナー、Podcast、動画などで使い回す
フォーマットを変えて、同じことを別のところで話すということができるようになる
考えなしにやると滑るので、コンテンツを調整する必要がある(Youtubeで二時間はきつい。。。)
編集力のない僕たち飲み方
インフォグラフィック:Canva、PIKTOCHART
動画:Lumen5
Webcam動画:SOAPBOX(Google Chromeのプラグインツール)
コードを書かなくても動的なデータビジュアル化ができる
広告
検討フェーズ別に使い分ける
潜在層
健在層
リスティング広告、リマーケティング
既存顧客
CVユーザー向けのリマケ、カスタムオーディエンス広告
代表例はGoogleのキーワード広告
キーワード→広告文→LPさえあれば始められる。
ただし、年々入札単価は上がっていっているのと、品質スコアも考慮されている。
品質スコアがないとますます入札単価が高くなる
品質スコアは関連性、推定クリック率、LPの利便性(内容、スマホ対応、表示速度)で決まってくる。
リマーケティング広告
一度自社のウェブサイトへ訪問履歴がある人に向けて、他社サイトに広告を出して追いかける広告
リスティング広告と組み合わせると効果的
ただし、そもそもの初期訪問動線がないと効かない
カスタムオーディエンス・カスタマーマッチ広告
メールアドレスをもとにその顧客や似ている顧客へ表示する広告する
まとめ
細かい技は色々あるが、それよりも良いサービスを伸ばせるような
【Q&A】
Q. どのようなツールを使えば、誰がサイト訪問したかを分かるのですか?
Q. Google広告とFaceBook広告はどっちが良いですか?
A. キーワードがあるものに関してはGoogleのほうがニーズが明確。新しい概念のものだったらFacebookのほうがいい。
Q. どうしてデジタルマーケティングの費用が上がっているのですか?
A. 推測も入りますが、そもそもデジタル広告出す会社が増えていて、大手の参入も増えている。Googleは小さな会社の広告を表示させようということをやっている。運用もどんどん簡単になって、広告代理店不要でもだいたい運用できるようにGoogleのサービスが出すキーワードを補正してくれるようになった。
Q. LPはどうやったら作れるのでしょうか?
A. ツール的にはInstaPageを自分は使っている。無料版もあるが、敢えて有料版で。それなりにオシャレなLPがノンプログラミングで作れて、しかもA/Bテストができる。 Q. LPを作っただけではSEOやリスティング広告しないと誰も見てくれないのではないでしょうか?
A. Yes。呼び込む必要はあります。
Q. コミュニティの中心人物と仲良くなるための秘訣はありますか
A. 人のワザとコミュニケーション能力。相手の人がほしいものを考えて、愚直にアクションするだけ。何が興味あるかを調べて、ちゃんとアクションする。ただし、こびへつらうわけではない。
Q. FMFで困っているのですが、黒瀬さんがマーケティング業界にfitする理由を教えてください。
A. キャリアがずっとデジタルマーケで知識も経験もある。あとは学生時代の頃からインターネットを開いて感動した体験があって、はじめて大学でインターネットを開けたことが純粋に嬉しかった。
Q. Twitterでアンケートするときにフォロワーは少なくても大丈夫ですか?
A. 多いほうがいいです笑 成り立てばいいので、別に一定数あればいい。