GAFA
グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェースブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の4社のこと。頭文字を取って称される。いずれも米国を代表するIT企業であり、4社は世界時価総額ランキングの上位を占めている。また、世界中の多くのユーザーが4社のサービスをプラットフォームにしている。 グーグルは、検索エンジンやオンライン広告事業を始め、スマートフォンの基本ソフト(OS)である「Android」や「Pixel」ブランドのスマートフォン、スマートスピーカーの「Google Home」などの開発を手掛ける企業。アップルは、スマートフォン「iPhone」や、タブレット「iPad」、パソコン「Mac」などのハードウエアメーカーである他に、クラウドサービスの「iCloud」や、iPhoneやiPad用のアプリケーションを提供する「App Store(アップストア)」などの開発、販売を行っている。フェースブックは、世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)である「Facebook」を運営しており、アマゾンは、世界最大のインターネット通販サイト「Amazon」を運営する他、電子ブックリーダー端末の「Kindle(キンドル)」や、スマートスピーカー「Amazon Echo(アマゾンエコー)」の開発、販売を行っている。
4社に共通するのは、いずれもプラットフォーム企業である点だ。プラットフォーム企業とは、商品やサービス、情報を提供する基盤となる企業で、世界中の多くのユーザーが、4社の提供するサービスをプラットフォームとして利用している。ここで重要なのは、ユーザーは単に4社のサービスを利用しているだけではなく、氏名や住所、「何を購入したか」「何に興味を持っているか」などの個人情報を4社に提供している点だ。これら個人情報は、文字だけでなく、音声や写真、動画を始め、利用状況や通信記録などのログと呼ばれるものも含む、大容量のビッグデータと呼ばれるデータであり、4社は、これらビッグデータを分析し活用している。したがって、GAFAのサービスは、ユーザーの生活を便利で豊かにしてきた反面、個人情報を独占していることが世界各国の懸念材料になっている。日本では、2016年12月にGAFAへの対抗策ともいえる「官民データ活用推進基本法」が成立した。同法によって、特定の企業や団体がデータを囲い込むことがないように、国や自治体のデータを積極的に民間へ公開すると共に、企業間でも互いのデータを共用し、分析効率を高めようとする「オープンデータ」による戦略を推進、実践している。
一方、欧州連合(EU)では、18年5月に「EU一般データ保護規則GDPR(General Data Protection Regulation)」が施行され、個人情報の収集、開示、保管などを行う事業者は、データ保護に関する多くの義務が課せられることになった。 (横田一輝 ICTディレクター/2018年)