日本都市計画学会グリーンインフラの計画的展開と社会実装研究会
・研究会について
日本都市計画学会グリーンインフラの計画的展開と社会実装研究会(以下都市グリーンインフラ研究会)は、日本都市計画学会の研究交流事業(研究交流分科会)に基づく研究会で、2019年度に研究交流分科会Aとして採択されて発足した研究会です。以下の日本都市計画学会のサイトに研究交流分科会として採択されている研究会が紹介されています。
・研究会の目的
Green infrastructure(以下グリーンインフラ)は、自然環境を基盤としたインフラを意味する言葉である。McMahon (2000)は、グリーンインフラを、「緑地、樹林地、野生生物の生息地、公園、その他の自然性の高い地域のネットワークであるとし、それは新鮮な大気と水、自然資源を維持し、市民の生活の質を豊かにするもの」であるとしている。そのコンセプトは、オルムステッドのパークシステムに遡るという。日本においては、2000年代からグリーンインフラが紹介されるようになったが、東日本大震災を経て、2011年からグリーンインフラについて言及する論文、論説が急増した。2015年8月に新たな国土形成計画(全国計画)と国土利用計画(全国計画)が閣議決定されたが、これらの法定計画に初めて「グリーンインフラ」の用語が書き込まれた。さらに、社会資本整備や土地利用におけるグリーンインフラの考え方や手法に関する検討を行うとともに、多自然川づくり、緑の防潮堤及び延焼防止等の機能を有する公園緑地の整備等、様々な分野において、グリーンインフラの取組を推進すると記述された。さらに、翌月の9月に閣議決定された社会資本整備重点計画においてもグリーンインフラに積極的に取り組むと明記された。この2015年以降、グリーンインフラへの注目はますます高まり、関連のセミナーやシンポジウムが度々開催され、日本語の書籍も出版されるようになった。特に、防災・減災分野では、自然を活かした防災・減災 (Eco-DRR)として、社会実装に向けた研究や検討が進んでいる。
グリーンインフラの機能として様々なものが挙げられているが、その機能の範囲、種類は、先行して研究、計画的展開が進んでいる欧米各国においても様々である。日本においても都市マスタープラン、緑の基本計画、生物多様性地域戦略といった法定計画で記載例があるが、対象としている機能は様々で、未だ本格的な展開の段階には至っていない。そこで、本研究会では諸外国のグリーンインフラの事例をレビューしつつ、日本においてどのように空間計画的な展開ができるのか、またその社会実装にはどのようの課題があるのか、産・官・学・民のメンバーが集い、議論し、方策を明らかにすることを目的とする。
引用
McMahon, E. T. 2000. Green infrastructure. Planning Commissioners Journal 37:4-7.
・研究会メンバー
代表
一ノ瀬友博(慶應義塾大学環境情報学部)
メンバー
木下剛(千葉大学大学院園芸学研究科)
荒金恵太(国土交通省都市局)
井本郁子(慶應義塾大学SFC研究所上席所員/NPO地域自然情報ネットワーク/(株)緑生研究所)
岩崎寛(千葉大学大学院園芸学研究科)
酒井翔平(国土交通省都市局)
新保奈穂美(筑波大学生命環境系)
竹内智子(千葉大学大学院園芸学研究科)
徳江義宏(日本工営株式会社)
土屋一彬(東京大学大学院農学生命科学研究科)
三輪隆(株式会社竹中工務店技術研究所)
守谷修(国土交通省国土技術政策総合研究所緑化生態研究室)
村上暁信(筑波大学システム情報系)
中尾理恵子(株式会社創建)
山田由美(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 研究員)
花房昌哉 (慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科)
植田直樹(株式会社三菱地所設計)
福岡孝則(東京農業大学)
・研究会への問い合わせ
都市グリーンインフラ研究会では、研究会の趣旨に賛同し、一緒に活動してくれる方を歓迎します。ただし、研究会のメンバーになるためには都市計画学会の会員資格が必要です。ご不明な点、問合せは以下のメールアドレスにお願いします。
greeninfra@icloud.com(@は半角にして送付下さい。)