ST-T低下(下降傾斜型)
心電図波形のうちで、ST部が通常より下がった状態です。心臓の筋肉の血液の流れが悪い場合(心筋虚血)や、心臓の筋肉が厚くなった状態(心肥大)などで起こりますが、病気でなくても起きることがあります。ST部分の傾きで、上行傾斜型、U字型、水平型、下降傾斜型等に分かれます。
心電図 - 日本人間ドック学会
ST異常は、重篤な疾患のサインである可能性があります。ST上昇の場合、狭心症、ブルガダ症候群などの診断につながることがあります。ST低下の場合、心内膜面に虚血がみられる場合があります。また最近のトピックスでブルガダ症候群疑いという所見をよく目にするようになりましたが、これは突然死の可能性がありますので要注意です。
心電図・気をつけてほしい異常・所見と心疾患症状 |健診会東京メディカルクリニック
ACSでは一般的にST低下は虚血責任冠動脈にかかわらずV4〜V6誘導を中心に認めるため、ST上昇と異なり虚血の部位診断は難しいです。しかし、ST低下が高度なほど、ST降下を認める誘導数が多いほど、高度な虚血を反映し予後は不良です。
急性冠症候群ACSと心電図 - みやけ内科・循環器科【総合内科のアプローチ】
・狭心症による心筋虚血の主な心電図変化はST変化である。
・ST低下は狭心症発作時のみ認めることが多い。
・ST変化以外ではT波陰性化と陰性U波がある。
・強い心筋虚血発作が遷延しなければ心電図所見は正常化するので、非発作時の安静心電図で狭心症を否定することはできない。(病歴、冠危険因子の評価が重要)
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