ST-T低下(下降傾斜型)
心電図波形のうちで、ST部が通常より下がった状態です。心臓の筋肉の血液の流れが悪い場合(心筋虚血)や、心臓の筋肉が厚くなった状態(心肥大)などで起こりますが、病気でなくても起きることがあります。ST部分の傾きで、上行傾斜型、U字型、水平型、下降傾斜型等に分かれます。 ACSでは一般的にST低下は虚血責任冠動脈にかかわらずV4〜V6誘導を中心に認めるため、ST上昇と異なり虚血の部位診断は難しいです。しかし、ST低下が高度なほど、ST降下を認める誘導数が多いほど、高度な虚血を反映し予後は不良です。 ・強い心筋虚血発作が遷延しなければ心電図所見は正常化するので、非発作時の安静心電図で狭心症を否定することはできない。(病歴、冠危険因子の評価が重要)