8月15日を劇にする(2021)
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戦後100年プロジェクト
日時
2021年8月15日(日)13:00〜18:00
※受付30分前から
※17:00から創作発表を行います。観劇無料です。
会場
art space tetra(福岡県福岡市博多区須崎町2-15)
参加費
500円(資料代として)
全体構成・演出
五味伸之
主催
UFO、8月15日を劇にする実行委員会
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コモンズ・デザイナーのむつさとしが考案したメディア遊び。オープンソースで「いつでも、どこでも、だれでもできる」が合言葉!2017 年、読売教育賞 NIE部門最優秀賞受賞。三省堂高校国語教科書『明解国語総合』採択。NIE・NIB・アクティブラーニングに恰好のツールとしても注目されています。
語る事が困難な状況(サイレントカルチャー)に対抗して、現実のちょっとした違和感や閉塞感を自分たちの言葉で語り合うことを目的とした参加型演劇。2015年の戦後70年に劇的作家の五味伸之が企画しスタート。戦後100年目まで毎年開催する予定。2018年は長崎の巨大防空壕「無窮洞」の見学ツアーとともに開催し、小学生から60代の方まで老若男女問わず、幅広く参加している。今後、各地で同日開催されることを希望しています。
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■まわしよみ新聞のやり方
(1) まずは各自で新聞をよみ、関心を持ったり気になった記事を切り抜きます。
(2) それぞれ記事を切り抜いたら、それをグループの人たちと共有。
どんなことに関心を持ったのか、気になったのか、どんなことを考えたのか、などを話し、またそれを聞いてどんなことを考えたのか、思ったのか、自由に話します。
(3) グループ全員分の記事の切り抜きが出そろったら、大きな模造紙に貼っていきます。
(4) 模造紙の余白の部分に、記事に関するコメントや、先ほどの話の中で出た意見などをどんどん書き込みます。最後に新聞の名前を付けたらグループの〝新聞″の完成です。
■まわしよみ新聞から「劇」にしていくやり方
(1) “新聞“が完成したら、今度はそれを〝劇″にしていきます。
(2) 各グループに1人入っている演出家が進行役となり、出来上がった新聞をみんなで見ながら取り上げる内容、物語、登場人物などを考えます。
(3) 各グループで作った新聞名を発表し、自分たちが何を感じ、考えてきたのかを場全体で共有してから発表します。始めていきます。演劇など未経験の方も、自分たちが感じたこと、考えたことを大切にしながら発表していくため、安心して劇を楽しめます。
(4) 発表後は、グループごとのふりかえりと、観客からの感想を聞き、自分たちが感じたことをより深め合う時間にします。
※これまであった主な上演方法(演出者によって、上演の形式は様々です。)
●手紙劇:参加者が戦後100年後の“誰か”に手紙を書きます。その手紙を受け取る人を演じながら、その手紙の言葉を読みます。その人はどこで、誰と、どのように過ごしているかを想像します。未来を考える劇の方法。
●フォーラムシアター:討論劇と呼ばれるブラジルの演出者アウグスト・ボアールの演劇手法の1つ。新聞の中の悲劇を見つけ出し、ある目的が果たせないバッドエンドを観客の前で上演し、「どのようにしたら、このバッドエンドを変えることができるか?」を、観客の意見・アイデアをその場で劇で実践していく。未来へのリハーサル。
●取材劇:新聞の中の人物になり、新聞記者からのインタビューを受けている場面を演じます。現在から、徐々に過去へと進んでいき、事件のその前は何があったか、またその前は・・・。というように、現在と過去の結びつきを見つける劇。
●人形劇:「このまま進むと、こんなことになってしまうのではないだろうか?」と、未来の不安な出来事を劇として表現し、人形がその出来事を体験する。観客は人形の姿を通して、実際に自分に起こったら?と考える契機となります。
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■参加者のアンケート抜粋
Q.今日は何に関心を持って参加されましたか?
「設定された日付に関心を持って。」
「終戦の日を劇にするというのに関心があって。」
「戦争について話したり考えるきっかけが欲しかったから。」
「戦争に関わる話をたくさんの人と共有できると思い参加しました。」
「終戦記念日に、今までやこれからの日々に想いを馳せることをしたいと思って参加しました。」
Q.今日の公演を体験してみた感想をお聞かせいただけますか?
「普段、お話する機会がない人たちと、お話が出来てよかった。」
「自分が日々新聞を読んで気になっていること(戦前に近づいているような気配)をやっぱり(他の人に)出したかったんだなと気付いた。」
「色々な視点からの話をきくことができて、とても勉強になりました。」
「同じ記事でも見方によってこんなに違うんだと面白かったです。」
「同じ新聞をよんでても、人によって気になるポイントが違うのが、むずかしくも、これが社会なんだと思う。」
「自分じゃない人をおもしろがれる才能をもっと鍛えたいなと思いました。」
「みなさんとお話をして、関心の持ち方が色々あるなぁと、自分の思い込みが視野をせばめているなぁと思ました。」
「混沌の中から、創発的に劇が立ち現われるのを間近に見て鳥肌が立ちました。」
「今すぐに実感としては湧いてこないけれど、数日経ってからきっと色々考えることがあると思う。数年後に8/15を迎えた時、またこの日を思い出せたらいいな。」
「他人同士でもあたたかくむかえられる空間が増えていくことで、平和へ近づいていくのかなぁと思います。」
「声に出すとパワーになるし、共有できるとさらにパワーになる。」
Q.「戦後100年」を迎えるには、どのような場があるとよいと思いますか?
「話す場所。何であれ。」
「もっとフランクに戦争のことを語り合える場を続けて設けていくこと。」
「嫌なことは嫌とか、自分の考えを自由にしゃべれる場所が必要だと思いました。」
「この企画を色々な所でやってほしい。子どもから大人まで〝違う"を認め合うことにつながるんじゃないでしょうか」
「居間に疑問を抱いている人たちと仲間になってゆくこと。今日この場で一緒に話した人とのことは良い体験でした。一緒に作業することを通して思いを交えられる機会は貴重。大切と思いました。」
「歴史を学ばなければ100年を迎えることができないと本当に危機感を感じています。このような場は大切だと思います。」
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終戦記念日である8月15日の新聞の中から、気になる記事を紹介しあい、一つの壁新聞を作る「まわしよみ新聞」の方法を使った演劇づくり。世代や立場の違いを超え、新聞記事を通して語り合い、演劇を通して自分たちの言葉をつくります。
■企画背景 / 戦後100年プロジェクト
戦争を体験した人がこの世を去り、直接話を聞いた人も少なくなりつつあります。戦争とは二度と起こしてはならないものだと認識している若者すら減り始めていると聞きます。戦争を体験せずしてその悲惨さを感じることができるのでしょうか? 私たちは、これまでプレイバックシアターの上演や、海外での共同制作を通して、表現を通じた「語り合う」ということが、様々な抑圧を解放する手だてになると考えました。演劇という人と人が関わることが重要な要素である舞台芸術を通じて、私たちが今できることを実行するプロジェクトを企画しました。戦後70年の2015年に福岡ではじまり、2045年の戦後100年まで毎年実施する予定です。
■福岡開催へ向けて / 企画者五味伸之
新聞劇では、自分の関心がある新聞記事と、他の人の関心がある記事について語り合います。一人ずつの記事に対する考え方の距離感も立場も違う中で、一つの共通理解を持った演劇を発表し合うことは、自分の考え以外を知るよい機会であると同時に、自分は何を表現したいのか、何を伝えたいのか」を改めて問い直す良い機会になります。2018年〜2020年は福岡以外で開催し、2021年より福岡で福岡の歴史に触れながら開催できることを目指します。自分たちがどこにいきていて、どうやって生きていくのかを、自分たちの言葉で語り合うことができることを楽しみにしています。天神ビッグバン・コロナ・オリンピックなど大きな出来事によって、街の姿が変わり、生活が変わり、人と集まることが困難になってきているように感じます。
今回会場となった多聞櫓は、争いに対しての備えとしての役割を持って建てられましたが、一度も争いに巻き込まれることなく終わりました。その後、学生寮として使われたり、歴史に触れることのできる文化財としてその役割を変えて来ています。
目紛しく情報が動き続ける中、少しだけ時間の速度を落として、じっくりと新聞を読んで、自分の想い・言葉を感じて、演劇で伝え合うことを目指したいと思います。
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■五味伸之プロフィール
1985年生まれ。「記憶とのつきあい方」をテーマに演劇活動を行う。参加者の体験を再構成し劇化する作品創作を得意とし、プレイバックシアター、新聞劇、お化け屋敷演劇など、様々な形式の演劇作品の発表を行う。2009年より海外へ進出しTongMyong大学(韓国釜山市)での招聘公演を皮切りにアジアでの上演も多く行っており、2011年〜2014年Small Theater Big Drama(香港)、2015年、Wuzhen Theater Festival(中国)参加。 (公財)福岡市文化芸術振興財団主宰の演劇ワークショップや、元ホームレスの方への演劇コミュニケーション講座や、障害者との演劇&ダンスワークショップなど、指導者としての活動も行う。日本演出者協会会員。
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■関連企画
野外影絵劇「IN YOU」
2011年より行って来たプレイバックシアターで語られたエピソードを組合せて作る影絵劇。
「8月15日を劇にする」で見つけたテーマを元に、現実の人々の物語と社会のニュースが交錯したしたシーンが加わる。