今日の行動と人生の重要なことの再帰的な関係
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『アウトラインプロセッシング LIFE』の「重要なこと」のPartの読書ノートです。
ALLとDAYSのアウトラインプロセッシングをとおして、日々の生活で出会うDOを出発点にした(ボトムアップの)ダイナミックなALLを手にし、日々の作業も進むようになりました。でも、その作業はほんとうに自分にとって重要な作業なのでしょうか。
その問いに答えるため、まず、DAYSの項目名である日付に「..に重要なこと」と書き加えます。たとえば「2020/05/16」が「2020/05/16に重要なこと」になります。こうすることで、5月16日のto doのアウトラインが、5月16日に重要なことのアウトラインに変わります。ここが最初のポイント。
その結果、このアウトラインがアウトラインとして不完全であることに気づきます。たとえば「自分にとって重要なこと」と「会社にとって重要なこと」が混在しています。自分にとって重要なことと会社にとって重要なことは、当然、矛盾するところがあるはずです。
網構造を敢えて否定し樹状構造に制約することで、「重要なこと」アウトラインを静的なものから動的なものへと変化させています。ここが、2番目のポイント。
そして3番目のポイント。ここが大変おもしろい。上位階層をひとつにするための作業を始めます(え、そんなことできるの?)。そのための道具として、本書での常套手段、階層をたどる作業をはじめます。
まずブレイクダウン。項目を主語のあるセンテンスにしながら、あるDOのアウトラインをたどります。誰がその作業をするのかを明示するワケです。たとえば「こぶた山のウグイス調査をする」が「(私が)こぶた山のウグイス調査をする」に変わります。その下の項目もたとえば「調査用チェックリストをプリントアウトする」が「(私が)調査用チェックリストをプリントアウトする」に変わります。
次にレベルアップ。ここで具体例は上げられず、より抽象的ででも分かりやすいモデルとして示されます。ぼくたちの人生は時間の階層構造であり、それぞれの時間スケールで重要なことが、入れ子状に関係している、と言うモデルです。時間のもつ階層構造を、アウトラインとして示しています。
これも考える場の枠組みを樹状構造に制約しているからこそ、シンプルに導かれるアイディアです。たとえば「(私の)今日重要なこと」は、「(私の)今週重要なこと」の下位にあり、さらに「(私の)今月重要なこと」の下位にある..、といった形で「(私の)人生で重要なこと」という構造です。
当たり前のようで、これがスゴイ。
時間は階層構造をもっており、ボトムアップとトップダウンのプロセスが「同時」に起こっている。それを踏まえながら、自分のALLやDAYSのたったひとつの上位階層を探す必要がある、という提案です。世界観と言っても良い。
余談になりますが、こうしたボトムアップとトップダウンが「同時」に起こるという世界観は、進化生物学や生態学でここ20年くらいに認められた新しい世界観(生命観)と共通するものが多いと、ぼくは考えています。
具体的に、Tak.さんは次のことばにまとめています。
「(私の)今日の行動は、(私の)人生で重要なことに規定されるだけでなく、(私の)人生で重要なことに直接影響を与える」
では、いったいどうやって、(私の)今日の行動と(私の)人生の重要なことのボトムアップとトップダウンの同時性を踏まえたアウトラインをつくるのでしょうか。
もちろんそこにも、シェイクが登場します。そして、そのシェイクのはじまりは..。
(May 16, 2020)