ALLをダイナミックにする仕掛けとしてのDAYS
Go fujita go.icon
『アウトラインプロセッシング LIFE』のDAYSを考えるためのノートです。
ALLについて説明したPart 2では、自分のタスク(DO)の全体を俯瞰し、その役割を理解するためにアウトラインプロセッシングを使う方法が説明されていました。
Part 3では、DAYSの説明がつづきます。ALLを実践する手順として、1日という時間スケールにフォーカスすることが効果的、というアイディアをベースに考えられたタスク管理の型のように見えます。そして、そのDAYSに移動したDOのアウトラインの操作法が説明されています。
具体的には、冒頭で紹介されているアイビー・リーのアドバイスが、この前提の妥当性を効果的に示しています。大量のタスクを抱え、さらに日々割り込み仕事にさらされている人でも、1日という枠を決めて小さなDOのリストをつくって優先順位を決め、一番上のDOにフォーカスすれば、大事(と本人が感じている)作業を先へ進めることができるというごくシンプルなアイディアが、説得力をもって伝わってきます。
次に、この1日単位の作業を進めるアウトラインプロセッシングとはどのようなものか、そしてその作業にALLのアウトラインを生かすTak.さんのアイディアが説明されています。
たとえば、今日やりたいDOを、今日の日付の下にコピーペイスト?して、優先順に並べる。それから「できれば」という項目をつくり、7番目以降のDOをその下に移動する。
途中で割り込んできた新しいDOは、星印をつけてこのアウトラインに加え、優先順に並べ直す。新しく7番目になったDOを「できれば」の下に移動する。その後入ってくる割り込みDOにも同じこと繰り返す..。
でここがポイントですが、割り込みDOばかりが終わって、もともと優先度の高かったDOがほとんど終わらないこともある。それでも実は、長期的には、ALLを踏まえた日々を過ごすことができる。
その理由は、まず今朝までのALLを踏まえた朝のDAYSに、割り込み仕事の入ったあとのDAYSを加えて、DAYSのアウトラインを変えながら作業し、夜のDAYSをもとに翌日のDAYSをつくる。この際、ALLのアウトラインをある程度意識しながら、翌日の朝DAYSをつくることができる。加えて、DAYSからALLに移動したDOも踏まえて、ALLの構造もシェイクされる。
明記されていませんが、割り込みDOには、いわゆる上司や同僚からやってくる割り込み作業以外に、自分の仕事を進める中で自分が生み出すDOもあります。▼でマークされたDAYSの中のメモが、そうした自分起源の新しいDOになることもあると言う説明も、このPart 3の最後に出てきます。
このDAYSの変化を踏まえて、ALLも育ちつづける。このダイナミックなALLこそが、日々の生活を根っこにした、リアルなto doのアウトラインである。
DAYSは具体的な作業を進めアウトプットを生み出す場でありながら、かつALLを育てるためのリアルなデータをインプットする場としても機能しているのです。
アウトラインプロセッシングを、DAYSのシンプルなアウトラインの操作につかう方法も、なかなかすばらしいのですが、この章の鍵になる説明は、このALLをダイナミックにする仕掛けではないかと、ぼくは考えています。
ALLから選ぶDOを6つくらいにしぼる時間的な制約をつくる条件として、1日という単位を使う。そして割り込みDOも含めて、常にある少なめのDOにフォーカスし、その途中で思いついたDOやそのもとになるメモの按配も、まずは1日のアウトラインの中で行なう。
そこからもう少し演繹すると、もしかすると、1日という枠がなくてもうまく機能する仕組みができそうな気がしています。
(revised May 16, 2020)
(May 15, 2020)