アバンギャルドとキッチュ
『パーティザン・レヴュー』というアメリカの文化評論誌に掲載
わりとこう、「高尚なもの」と「低俗なもの」という対立軸を描く、文化の階級闘争として語られがちで、エリート主義的だとみなされがちだが(そこを半ば露悪的に超克するものとしてポップアートが生まれたように)、これが書かれた時代(1939年)には、ファシズムが台頭し、前衛芸術が退廃芸術とみなされ危機的状況にあったというのは見逃されがち
ベンヤミン「政治の美学化」の具体
イタリアの未来派
エチオピア戦争を「美しい」と肯定
過剰生産と失業率の高さを戦争特需が解決
経済政策としての戦争を、マリネッティは美的判断のもと肯定した
これをベンヤミンは「政治生活への美学の導入」とし、ファシズムの特質を見出した
前衛芸術がもたらす「反省」、「自省」の機能は、スペクタクルなものによる享楽性、盲目性に対するある種の対抗軸として機能する
キッチュ、technosolutionismには、ナイーブなものとして以上に、その当時の政治的な緊張の中で、邪悪さに加担しうるものものとして彼はアクチュアルな危機感を感じていた