The Aesthetics of Failure
失敗の美学
この論考で、私は、メディアはもはやメッセージではないということを強調したい。むしろ、特定のツールそのものがメッセージとなっているのだ。(中略)グリッチ、バグ、アプリケーションエラー、システムクラッシュ、クリッピング、エイリアシング、ディストーション、クオンタイズノイズ、さらにはコンピューターのサウンドカードのノイズレベル。作曲家は、こういったものさえも素材として音楽に組み込もうとする。
キム・カスコーン/長壁純子訳「失敗の美学――現代のコンピュータ音楽における「ポスト-デジタル」的傾向」、『ユリイカ 特集=ポスト・ノイズ――越境するサウンド』所収