完全性と無矛盾性
意味論的なそれと、メタ数学におけるそれ
完全性
意味論: そのカテゴリーの真のメンバーは、そのカテゴリーの定義を敷衍することでいつの日か必ず生成される
メタ数学: その理論の真の言明は、いつの日か必ず定理として生成される
無矛盾性
意味論: そのカテゴリーに属さないメンバーは決して生成されないこと
メタ数学: その理論で正しくない言明は決して生成しえないこと
無矛盾性は、その言葉尻からすると、その命題を真とする言明と、偽とする言明の両方を生成しないことという意味に聞こえるが、結局のところ「偽の言明を証明しないこと」と同値
完全性は「網羅すること」、無矛盾性は「はみ出ないこと」
ゲーデルの不完全性定理は、「はみ出ないこと」(無矛盾性)を形式システムに要請する限り、「網羅しきれいないもの」(不完全性)が必ずや存在してしまうという話