知っている/わかっている/できる
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「わかっている」のに「できない」こともある。それは、自分が自分のわかっていることをまだうまく扱えない、或いは、ある条件のもとでしかうまく扱えない、という段階だ。例えば、対話のためには、人をはねつけるような態度を取ってはいけないことがわかっていても、ある条件の中でしかそれが実践できない、というようなことー自分に好意的な相手にはそうできるが、敵対的な相手と対話をするのは難しい。そこで、敵対関係を越えていくには、経験値と技が必須になる。 「知っている」という段階は、知っているか知らないかの二分法である。「わかる」の段階になると、「どこまで分かっている」かという「深さ」の次元が問題になってくる。「できる」という段階になると、つねに経験的、局所的な「できる」でしかない。わかっていることをできるようにするための技というのは、いつも個別的、具体的、身体的なものになる。敵対する人と融和的な対話がしたい?それなら、対面的なポジションではなく横並びになって、三回息を深く吐いて、……とつまりはそういう経験的な創意工夫の束なのである。
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