意味の解除
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「言葉には意味が必要だ」という意味の呪縛は言葉の可能性を半減させるような感覚がある。意味の他に、位相、質感、情緒、字形、文脈など言葉は様々な属性を纏っていて、そこに焦点を当てて扱ってみることで新しい可能性が開拓できる。
「遊び」とは既知の意味に回帰することではなく、まだ見ぬ意味を手探りしながら、未知の現実と付き合ってみることである。それは、みずから意味の主宰者であり続けようとする強さを捨てて、まだ意味のない空間に投げ出された主体としての弱さを引き受けることである。意味の全貌を見晴らせないなかで、それでも現実と付き合い続けようとする行為は、自然と「遊び」のモードに近づいていく。(p176)