ゲシュタルト的執筆術
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僕は昔から、プロットではなく、ゲシュタルト(形態)という言葉を使っていて。いつも最初に、ゲシュタルトブックというのを作るんです。スケッチブックに、本で読んだ情報なんかをコラージュしていく。シュルレアリスムでもデペイズマン(異質な環境に置く)という手法がありますよね。僕の場合、たとえばページの上にアステカの資料や絵や地図を貼って、下には現代メキシコの資料を貼る。フェリーやクルーズ船の資料を貼った下には児童虐待の資料を貼るなど、全然違うものを並べていく。それをずーっと見ているうちに、透かし絵のように見えてくるものがある。見えた世界が現実だと自分で思えるまでに時間がかかりますが、ゲシュタルトブックの仕上がりが良ければ後は勝手に話が出てくるので、長いものも書けるんです。『Ank : a mirroring ape』の時のゲシュタルトブックは2冊でしたが、今回はその倍以上になりました。 https://gyazo.com/ed8c8bf4973213f743e14139d4d31514