〈実践ー方法ー理論ー思想〉の円環
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デザインにおける「経験」とは、〈実践〉に他なりません。〈実践〉に向かうためには、〈方法〉が必要です。また〈方法〉を選ぶためには、〈理論〉が裏付けとなります。さらに〈理論〉とは〈思想〉によってたどり着くものであり、その〈思想〉は「経験」によって積み上げられたものです。デザインにおける経験は、このように「円環」を成しています。 〈方法〉と〈理論〉は一般化して共有できますが、〈実践〉と〈思想〉は個人の経験に依存するものです。だからわたしたちは、さまざまな読みができる〈実践〉と〈思想〉を、「テキスト」で行き来することにしました。 またデザインの過程では、実践(practice)によって経験が生み出され、経験によって実践が可能になる。そして経験が累積された結果として、思想(thought)が築かれる。だから実践と思想はユニークなものであり、「ÉKRITS / エクリ」では方法(method)や理論(theory)よりも重要なものとして取り扱っていく。
この公の場で私ははっきり述べさせていただくが、学問の主要目的として設計方法論を学ぶことを、すべて否定させていただく。なぜなら、設計の実現と設計の学習を別々に考えるほど馬鹿げたことはないと思うからである。事実、設計を実現せず設計論を学習している人は、実りを知らぬ挫折したデザイナーである。その意志すら失った人々と言ってよい。そんな人たちが、物事を「どうしたら」正すことができるかなどと、道理を語ることができるわけがない。(px)