Infosphere
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このような情報環境では、世界はもはやコンピューター・プログラムの出力によって成り立つ、ある種の巨大なデジタル計算デバイスのようなもの、すなわちバイオソフィア(Biosphere)ではなく、「インフォソフィア・情報圏(Infosphere)」であり、人間は情報圏を構成している要素であるという見方も成り立つ しかも、その世界では、生物および非生物の別なく、また物質的な存在(実体としての形をもつモノ)および非物質的な存在の別なく、あらゆるものは皆すべて、情報として存在するとみることもできる。 これは、情報の実体とその属性、相互作用、プロセス、さらにそうした相互関係によって構成された情報環境の全体として世界をみなす立場である。情報の実体そのものだけでなく、関係や相互性も含み込んだ情報の集合体としての情報圏の考え方は、人間の機能や存在論的位置づけに対する問いを提起するものと捉えることができるだろう。