言語の分類
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世界中の言語を分類するおもな方法には,(1)系統的,(2)地理的,(3)類型論的分類,の3種類
言語系統論は「系統(祖語からの分岐)」をもとに分類 複数の言語について、基礎語彙の中から、意味と語形の両方が類似している一群の単語を抽出し、これらに関して、語形を構成する音の間に規則的な対応が見出される場合、比較された諸言語の起源が同一であるものと推定している。この方法に基づいて同一起源が推定される諸言語のことを「語族」と呼ぶ
インド・ヨーロッパ語族:英語、フランス語、ロシア語、サンスクリット語、ギリシア語、ラテン語
アフロ・アジア語族:アラビア語、エジプト語、チャド諸語、アラビア語、エチオピア語
フィン・ウゴル語族:フィンランド語、ハンガリー語、エストニア語、ラップ語
チュルク語族:トルコ語、アゼルバイジャン語、タタール語、チュバシ語
モンゴル語族:モンゴル語(ハルハ語)、チャハル語、オルドス語、ブリヤート語
ツングース語族:満州語、ソロン語、エベンキ語、ウデヘ語、オロチ語
シナ・チベット語族:中国語、タイ語、ラオス語、チベット語、ビルマ語
オーストロ・アジア語族:ベトナム語、カンボジア語(クメール語)、モン語
オーストロネシア語族:マレー語、インドネシア語、タガログ語、台湾先住民諸語、フィジー語、サモア語、トラック語、ハワイ語、マオリ語、タヒチ語
ドラビダ語族:タミル語、マラヤーラム語、カンナダ語、テルグ語
ニジェール・コルドファン語族:メンデ語、フラ語、ウォロフ語、ドゴン語、ヨル
バ語、
ナイル・サハラ語族:ソンガイ語、マバ語(チャド)、フル語(スーダン)、クナマ語(エチオピア)
コイサン語族:ブッシュマン諸語、ホッテントット諸語(アフリカ南部)
エスキモー・アレウト語族:エスキモー語、アレウト語
ナデネ大語族:トリンギット語、ナバホ語、アパッチ語、ヒカリヤ語
現時点では、日本語と同一起源の言語は発見されていない
形態的類型論による分離は「屈折語・膠着語・孤立語・抱合語」
屈折語
主語と目的語は、名詞が活用(語形変化)することによって表される。事柄の成立時点は、動詞の活用によって表す
膠着語
主語と目的語を表すために、名詞の後ろに置く特別の単語がある。事柄の成立時点を表すための特別の単語がある。
孤立語
主語と目的語を語順によって表現する。事柄の成立時点を表すための特別の単語がない
抱合語
エドワード・サピアは言語類型論を改良し「融合の指標」と「総合の指標」という2つの指標を提示 統辞面では主語,目的語,述語の相対的語順による分類法
SOV型 日本語など。世界の言語の約50%を占める。
SVO型 英語など。世界の言語の約40%を占める。
VSO型 アラビア語など。世界の言語の約10%。
VOS型 マダガスカル語など。
OVS型 ごく一部の言語に見られる。
OSV型 ごく一部の言語に見られる。
音韻論では母音体系のタイプ