池上俊一『ヨーロッパ中世の想像界』
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件名標目
ISBN-13 9784815809799
NDC10
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西洋中世の人々が生きた豊穣なる世界——。動植物や人間から、四大や宇宙、天使や魔女、仲間と他者、さらには楽園と煉獄まで、文学・図像・伝説・夢を彩る広大な想像界を縦横無尽に論じ、その全体構造を解明する。心性史・社会史を刷新する「イマジネールの歴史学」の集大成。
【書評】
・『史学雑誌』(第131編第1号、2022年1月、評者:草生久嗣氏)
・『図書新聞』(2020年5月30日号、第3449号、評者:池上英洋氏)
“…… わが国の西洋研究の水準を示す記念碑的作品と評しても、決して大げさではないだろう。…… 心性史や思想史などと書くと、教父たちがのこしたような堅苦しく単調な文献が想像されると思うが、本書で出くわす事例は、傷つけられた心臓の図像のように、非常に珍奇なものであることが多い。それらは時にグロテスクであり、ユーモラスである。あるいはハートマークのように、これまで疑問を抱かなかったことがらにひそむ不可思議さに気付かせてくれる楽しさを有している。大著でかつ高度な学術書ではあるのだが、同時に読み物としても面白く、知的好奇心を大いに刺激してくれることだろう。"(『図書新聞』2020年5月30日号、第4面)
・毎日新聞(2020年4月25日付、評者:本村凌二氏)
“ヨーロッパ中世について、日本人が思い浮かべるのは、強大なキリスト教会であったり勇ましい十字軍であったりする。昨今では観光旅行の機会もあり、パリのノートルダム寺院やフィレンツェの大聖堂などを身近に感じる人々もいる。しかし、その中世社会に生きていた人々の心の中までのぞくことなどできるのだろうか。この心性史という至難の課題に敢然と切りこんだ本書は、わが国の西洋史研究の最新にして最高水準の成果と評価していいだろう。……"(「毎日新聞」2020年4月25日付、第19面)
・『週刊読書人』(2020年4月3日号、第3334号、評者:宮下規久朗氏)
“…… 本文だけで800頁近い大著だが、一旦読み始めるや、めくるめく絢爛豪華な世界周遊に引き込まれ、たえずあふれ出る珍奇な事象に幻惑され、しばらくその「心地よき場」から離れることができない。高度な学術書でありながら、至高の読書体験を与えてくれる。…… 美術史家エミール・マールは、ゴシックの大聖堂はそれ自体がひとつの百科全書だと述べたが、この浩瀚な著作は、堅固に構築され、外観も内部も細工が凝らされた壮麗な大聖堂のようだ。わが国の西洋史研究の到達点といってよい記念碑的な労作である。"(『週刊読書人』2020年4月3日号、第6面)
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