都市国家イシュガルド(Ishgard)
グリダニアと国境を接する都市国家の一つで山の都と呼ばれる。護神として崇めるのは、戦争の女神ハルオーネ。険しい峰々が続く山岳地帯”クルザス”を領していて、底が見えない程の谷合に気付かれた聖都や周辺の砦は全て石造りとなっている。1000年続く竜詩戦争で仇敵”ドラゴン族”と戦い続けてきた影響で産業らしい産業を持たない。異教徒を認めない宗教都市国家で国教”イシュガルド正教”の指導者である「教皇」が、君主を兼務。 精強な騎兵戦力を誇っている。
https://gyazo.com/f1365ca27ada711972a0368607e023fd
イシュガルド正教に伝わる建国神話によれば、1000年前、南の平地に暮らしていたイシュガルドの民はハルオーネの天啓を受けたという建国の祖トールダンに率いられ約束の地クルザスへと向かっていた。ゆく手を遮る深い谷を超えるため橋をかけようとした時、邪龍ニーズヘッグが襲い掛かってきて立ちはだった。邪龍ニーズヘッグの攻撃を受けたトールダンは深い渓谷に突き落とされて死んでしまう。トールダンに代わり邪竜ニーズヘッグと対峙したのがトールダンの息子であり建国十二騎士の一人である騎ハルドラスであった。ハルドラスは槍をとり、ニーズヘッグに果敢に挑み、ついにニーズヘッグの「眼球」をくり抜き退けたと伝えられており、長きにわたりこの建国神話が信じられ、邪竜ニーズヘッグが率いる竜こそ絶対的な悪とする価値観があった。しかし、近年になりその建国神話が嘘と欺瞞にまみれていることが明らかとなり、価値観が一変する事となった。
聖竜フレースヴェルグが語った真実
建国神話から遡る事200年前。すでにこの地にイシュガルドは存在した。シヴァとフレースヴェルグの種を超えた愛により、人とドラゴンは融和の時代を謳歌していた。
そんな時代が200年ほど続いた頃、当時イシュガルドの王であったトールダンはドラゴン族の力の源がその眼球にあると気付き、邪な野心からその力を、「竜の目」を手に入れようと企てた。配下の十二騎士と共謀し、人を信用しきっていた七大天竜の一翼「ラタトスク」を謀殺、眼球をくり抜き、それを喰らったのだという。
妹であるラタトスクの死やその有様をラタトスクの眼球を通して見たニーズヘッグは血の涙を流し、怒り狂った。ニーズヘッグはその怒りに任せ、トールダンを殺害。さらに数人の騎士を打ち倒したが、ニーズヘッグ自身も両眼をくり抜かれてしまい退かざるを得なくなった。こうして人の裏切りにより1000年に亘る竜詩戦争は起こったのだ。
フレースヴェルグは言った。人は1000年の間に何度も世代が入れ替わり、いつしか知らない誰かが起した単なる歴史に過ぎなくなる。だが永遠に近い寿命を生きるドラゴンにとれば自身がその身で経験した怒りと憎しみであり、彼らにとって1000年前の出来事など目の前で起こった昨日の出来事と変わらないのだという。
この真実には若干の補足がある。ニースヘッグは故郷である竜星を滅ぼした脅威と戦うために常に備えていた。そして唯一本音を話せる妹ラタトスクに自分達ドラゴンと比べ人間が脆弱であるということを話していたようだ。
ラタトスクは純粋で正直な性格であったため、トールダンに問われるままにニーズヘッグの言葉を話したのだという。その言葉に「いつか竜が人間を駆逐しようとしている」という誤解を抱いたトールダンが竜に対抗する力を欲して、ラタトスクを裏切ったのだとする説もある。