紅玉海
オサード小大陸とひんがしの国とを隔てる内海。日の出時に、紅く染め上げられる様子から「ルビーの海」と名付けられた。最初の海賊たちが杯を交わして義兄弟の契を結んだとされるサカヅキ島など古くから海賊衆と呼ばれる勢力が跋扈し支配しており、いずれの国の力も及ばぬ海として知られてきた。
大陸とは細い海峡のみで区切られているオサード小大陸の海岸に隣接したオノコロ島には天を衝く巨大な石塔「アメノミハシラ」がある。「アメノミハシラ」は東方地域の神話によれば、国産みの神が築いたとされており、オノコロ島は歴史的に禁忌の地とされていたが、戦乱期に神をも怖れぬ海賊衆たちが上陸し、拠点「筋違砦」を築き海賊衆の支配する島となっている。
また紅玉海の螺旋海峡の海底には亀に似たコウジン族の集落「碧のタマミズ」があり、水中に空気の玉を定着する魔法的技法を編み出し集落を形成している。
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紅玉海に古来より棲まうコウジン族には温厚で友好的な碧甲羅と呼ばれる者達と紅甲羅と呼ばれる者達がいる。元々は一つの部族であったのだが、紅甲羅はガレマール帝国侵攻の折に早々に帝国と手を結ぶ事を選んだ一派で、そのため東方地域の現地民に対しては攻撃的・高圧的であり、「人を殺す鬼」が住まう島と言われるゼッキ島を拠点とする。一方、碧甲羅は螺旋海峡の海底にある碧のタマミズで暮らし、現地民とも良好な関係を維持している。どちらも水中での活動に長け長く息を止めることができるが、サハギン族のようにエラ呼吸はでないため、呼吸のために水中に空気の玉を定着する魔法的技法を編み出した。豊かな海の恵みを糧として暮らしており、物に宿る八百万の神を信じており、その依り代となる名品や逸品の類を集めることに余念がないが、碧甲羅と紅甲羅が共同で管理していたそれらの品は紅甲羅がゼッキ島に移住した際に全て持ち去られた。その後、紅甲羅は八咫鏡(ヤタノカガミ)・八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)・天叢雲剣の「三種の神器」に宿っていた八百万の神の一柱「蛮神スサノオ」を顕現させた。
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