第一世界:廃都ナバスアレン
ノルヴラント南部に広がる荒涼とした砂漠地帯であるアム・アレーン地方を領有する国家ナバスアレンは採掘業が盛んなノルヴラント有数の大国であった。
ナバスアレンの都のお膝元であり、かつ国内最大のアンバーヒル鉱山は大昔から採掘がおこなわれてきた古参の採掘場だが、ミステル族のタロース技師を招いたことで更に採掘量が増大し、沢山の採掘師で賑わった。ロンゾ族とミステル族が協力した事から「ふたつの尻尾」が交わったと揶揄され、その拠点となった町にはトゥワインと呼ばれるようになった。因みに地名であるアム・アレーンのアムは「偉大な」、アレーンは「大地」を意味する。
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光の氾濫後、廃都と呼ばれるようになったナバスアレンの王都はアム・アレーンの南端にあり、光の氾濫で大きく裂けてしまった大地の淵で凝固した光の結晶に半ば呑まれながながらその姿を晒している。砂漠を渡った北方にはかつて侵入者から王都を守護するため造られた砦カスール・シャルがある。
アム・アレーンは「光の氾濫」による影響が顕著に見られる場所で、外側から押し寄せた光の氾濫によって地面がめくれ上がった異様な景色となっている。ただでさえ砂漠と荒地の地域で人が暮らすには過酷な環境であることに加え、その南端において「光の氾濫」が食い止められたことで、人が存在できる範囲の限界地域となっている。このような光景がノルヴラントを円状に取り囲んでいると言われていて、それより外は光の氾濫の影響で消し飛んだ「無の大地」が広がっているのだという。ナバスアレンも「光の氾濫」により首都を含めた領土のほとんどが消失し滅亡。その後、罪喰いの襲撃も頻繁でわずかに生き残った者たちも耐え切れず概ね他の地域へと身を寄せ、今では訪ねる者も稀で、あの立派な砦でさえ隊商のアマロ留となっている。