夜の民
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第一世界で「光の氾濫」ののち、人々の間に広まった信仰。故郷を失い、行き場を失った人たちの中で、その源流となるその思想が生まれた。それは光に呑まれたものがどうなってしまうのか?罪喰いとなって死んだ者の魂がどうなるのか?未だかつて世界が経験したことのない「光の氾濫」にたいして既存の全ての宗教は答えを持たず、あまりに無力であったがため生まれたともいえる。人はそれでも今の時代、今置かれた状況なりの救いを求めその思想へと辿り着いた。
命はいつかは終わり、生を終えた魂はその先、闇へと辿り着く。今は光が溢れ見えなくとも、そこには闇があり、この世を去った者は皆、天の暗き海へ運ばれ、闇の中を揺蕩い続けている。だからこの地上から、運ばれた魂たちが穏やかである事を、いつか別れを嘆く生者の頭上にその闇が戻る様にと、闇を願う夜の民は生まれた。
最初は集会のときにだけ人々は集まっていたという。だが何年かして、人々は寄り添い、助け合い、本格的に共同生活をすることを決意して、ラケティカ大森林に踏み入った。そうしてスリザーバウで暮らしている。
彼らは闇を崇めてはいるが、特定の信仰神は持たず、いくつかの規範に従って、祈りながら静かに暮らしている。それらの規範は、氾濫後の世界を生きていくための知恵であり、心の拠り所だとも言える。
歴史や史跡の旅~Chronicle Encyclopaedia~