多民族国家メラシディア
三大州からなるイルサバード大陸から南へ、さらに南方諸島をも越えたところに存在するのが南方大陸「メラシディア」だ。この地域の基本的な地形、面積などの地理情報は北半球ではほとんど知られておらず、5000年以上前に三大州に君臨していたアラグ帝国がこの地へ侵攻したこと自体は知られているが、アラグ帝国滅亡後から現在に至るまで北半球の文明との交流はほとんどない。しかし海路空路問わず大陸へ接近したものを無差別に攻撃するといわれているので、攻撃ができる程度のなにがしかの文明は存在するものと考えられる。把握されている限りのメラディシア大陸の情報を紐解くと、まずはハイデリンと邂逅したミドガルズオルムがアーテリスへ到来するより前、つまり「終末の災厄」以前、古代人の時代まで遡る。
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当時、メラディシア大陸に国らしい国はなく、ミドガルズオルムは、彼自身が「生まれたばかりの星」と認識しているアーテリスに降り立つと、その子である「ティアマット」と「バハムート」は南の海を超えた先にある豊かな大地、南方大陸へ渡り棲処とした。その地に先住していたのは心豊かな樹状種族のみだった。シャーレアン魔法大
学の考古学者「ルルシャ教授」よると、第二星暦後期に南洋諸島経由で人が移住したという学説があり、それは後のティアマットの談と概ね合致するという。この後、人馬種族などいくつもの異なる種族がメラシディアに渡り、それぞれの国を興した。そして時が経ち、それらはいつしか手を取り合うようになり、姿形の異なるいくつもの民族が集う多民族国家「メラシディア」へと成長していったのだという。その頃、集った多民族間で信仰が盛んだったのが「三闘神」の一柱「ソフィア」である。ソフィアは叡智を司るとされる神であり、ルーツも文化も姿形も異なる諸種族をまとめあげるために、「均衡」と「調和」という叡智を人々の心魂に吹き込んだという神話が残っている。また先住民族である樹状種族の間では、変わらず世界最初の樹を神格化したとされる魔神「セフィロト」が崇められており、種族の伝統を重んじ、特定の信仰に偏らない緩やかな文化がそこにはあったようだ。また七大天竜「ティアマット」と「バハムート」がいる事で竜の眷属も共存していたが当地の環境に合わせ、独自の進化を遂げた姿であったという。
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そして今から5000年以上前の第三星暦後期、魔科学の天才「アモン」の手により復活した始皇帝「ザンデ」により、アラグの南方遠征が開始され、南方大陸メラシディアは、アラグ帝国の激しい侵略を受けた。ヒトは暴虐のかぎりをつくし、尊き大地が奪われていく中、メラディシアを護ろうとした「バハムート」はアラグ帝国に討たれ
てしまう。メラシディアの現地民は「三闘神」の召喚や、ティアマットにより蛮神となった「バハムート」の召喚などで必死に抵抗したが、ヴォイドの魔王「暗闇の雲」との契約による妖異の軍勢や、対蛮神兵器「オメガ」によるバハムートの捕獲が決め手となりアラグ軍は南方大陸メラシディアを滅ぼし、この地を手に入れた。第四霊災でアラグ帝国が滅びた後、現在まで居住不可能な地がある一方、人口が回復した地域もあるというが、アラグ侵攻以来北半球との交流はほぼ途絶えている。
歴史や史跡の旅~Chronicle Encyclopaedia~