古代アラグ帝国
約6000年前、大規模な宗教戦争が勃発し、世界中が疲弊していた中で第三霊災は起こったとされる。記録的な日照りと大干ばつに見舞われた世界は、その苦しみの原因は宗教戦争にあったとし、世界中で司祭や神官、まじない師などを迫害する動きが起こった。
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そんな時代に生まれたザンデは迫害の対象であった司祭や神官、まじない師をまとめ上げ、従来の宗教家という概念を棄てさせ、魔法という技術体系のエキスパートとして養成し、魔道士という概念を作り上げた。近接しての肉弾戦が主流の時代、魔導師集団は驚異的な戦闘力を発揮し、そのリーダーであったザンデはいつの間にか一国の王
になるまでに推し上げられた。ザンデはまだ小さいその国をアラグ帝国と名付けた。アラグ帝国はその後も快進撃を続け、始皇帝ザンデは早々とエオルゼア統一を成し遂げる。アラグ帝国の首都は現在のモードゥナの周辺に置かれ、その堅牢な石造りの建築物は銀泪湖上空戦で湖の水が干上がったため5000年経った今でも見る事が出来る。
エオルゼア統一を成し始皇帝ザンデが没して70年ほど経った頃、見たこともない機械工作物が発掘される。それは宇宙から飛来した物らしく、当時栄華を誇ったアラグ帝国の魔科学をもってしても全く理解不能な高度な科学技術が使用されていた。アラグの研究者は必死にその技術の解析に挑んだが、落下の衝撃によるものか、機器の破損が激しかったこともあり成果が上がらないまま月日が流れた。そんな時ある研究者により機械工作物が周囲のエーテルを糧に自己修復を行っていることが判明し状況が一変した。修復を速める為、糧となるエーテルを与え始めてから数十年。とうとう再起動に成功。オメガと呼ばれる機械工作物の解析は一気に進み、アラグ帝国の魔科学は飛躍的な発展をとげることとなる。中でも当時を象徴するのが太陽光を集め無限にエネルギーを生み出し続けるクリスタルタワーだろう。これによりアラグの民は働くことなく生きていけるようになった。
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オメガの研究を初めて600年がたったころ、これ以上解析しても人類はその技術を扱い切れないと判断され、研究は打ち切られオメガは時間凍結装置へと安置された。
そしてアラグ帝国歴1000年ころ。すっかり堕落した生活に慣れてしまった帝国は斜陽の時を迎えていた。国は上から下まで怠惰で腐敗し、各地では意味の
ない抑圧に対し反乱が起きていた。そんなアラグ帝国の有様に心を痛めた魔科学者アモンは、国の建て直しのためにアラグ史上最も野心と野望に溢れていた始皇帝ザンデを復活させ、古の強国アラグ帝国を復活させようと考えた。1000年かけて積み上げた魔科学の知識と技術の粋を総動員し、まずはウネやドーガといった当時の皇族のクローンの製造に成功、次いで本命である始皇帝ザンデのクローンの製造にも成功する。復活したザンデはわずか数日で最新の魔科学知識を吸収すると、現皇帝を排除すると自ら皇位に着き、復活から数か月後には南方大陸メラシディアへの侵攻を宣言した。
当時メラシディアには多種多様な亜人種族により形成された多民族国家があり、七大天竜に数え上げられるバハムートとその番であるティアマットがいたが、ザンデは怯むことはなかった。
アラグ帝国軍は光竜バハムートに苦戦こそするものの、それを撃破し進軍を続けた。バハムートを屠り進撃を続けるアラグ帝国に恐れをなしたメラディシアは、それぞれの信仰に基づき、女神ソフィア、魔神セフィロト、鬼神ズルワーンを次々と神降ろしして、アラグ帝国に対抗した。しかし、バハムートさえ屠ったアラグ帝国軍の勢いはそれでも止める事が出来ず、原住民は何度も繰り返し神降ろしを続ける事となった。繰り返し顕現する闘神に埒が明かないと悟ったザンデは三闘神を捕縛。捕えた三闘神の力を魔大陸アジス・ラーで搾り取り、利用することでアラグ帝国のキメラ製造技術は更なる発展をすることになった。
優勢に戦いを続けてきたアラグ帝国であったがティアマットの出現により少し風向きが変わる。
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番であるバハムートを討たれ悲しみと怒りに駆られ、ティアマットはバハムートを神降ろしで蛮神として召喚してしまう。結果としてティアマットはこの自身の行為を「バハムートの魂を穢してしまった」と後悔しているのだが、呼び出されたバハムートは生前のそれとは似ても似つかない紛いものだった。
無感情にただただ破壊の限りを尽くす蛮神バハムートにさすがの帝国軍も苦戦。ザンデは打開策としてアジス・ラーで新造したキメラたちと、ほかにヴォイドの「暗闇の雲」と契約し、戦toto.icon場で死んだ者の遺体を依り代として妖異を召喚する「減る事のない軍勢」を帝国軍に編成、加勢させ侵攻を再開させた。それでも蛮神バハムートの力は強く、遂には時間凍結させていたオメガを放ち、蛮神バハムートをも捕縛してしまう。
南方メラシディアまでその手中に収めたアラグ帝国の皇帝ザンデであったが、この戦いの果てに彼が得たものは虚無であった。そしてその虚無に耐え切れなくなったザンデは自らが手に入れたこの世界の全てを破壊して終わりにしようと考えた。
彼は捕えたバハムートを巨大な岩に封印するとそれを打ち上げて月の衛星ダラガブとした。バハムートの持つ光を操る能力を利用し最大まで高めた太陽エネルギーをクリスタルタワーに送り、その強大な力で異世界ヴォイドに繋がる大きな穴、特大級のヴォイドゲートを開こうと考えたのだ。そうすることで通常はこちらの世界には来ることができない魔王級妖異である暗闇の雲がこの世界に現れ世界は妖異で溢れ、終焉へと向かう。
皇帝ザンデはこの計画を実行へと移した。しかし、一説にはザンデの調整ミスとも言われているが、衛星ダラガブからクリスタルタワーに放たれた強大なエネルギーの圧に地盤が耐えられず、地殻が激しく損壊し、後に第四霊災と呼ばれることになる未曾有の大地震が発生した。こうしてアラグ帝国は滅亡し、クリスタルタワーは地中へと完全に埋没する事となる。地中へと沈みゆくクリスタルタワーの中でアモンはタワー全体をカバーする時間凍結魔法を発動し、クリスタルタワーを封印。封印が解かれるまで5000年もの間、地中で眠る事となった。
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歴史や史跡の旅~Chronicle Encyclopaedia~